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「今という今〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今という今の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
酒中日記」より 著者:国木田独歩
う。自分は哲学者でも宗教家でもないから深い理窟《りくつ》は知らないが、自分の今、今という今感ずるところは唯《た》だ儚《はかな》さだけである。 どうも人生は儚い....
雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
て、自然はその独創の廃址《ルイン》を作りながら、かつこれを保護しているであろう、今という今「古い家」を塗り潰した「新しい家」の屋上に立って、麻痺した私の神経は、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
らく啜り泣きをしていたが、やがて涙を呑んで答えた。 「因果応報という仏氏の教えを今という今、あきらかに覚りました。わたくしの若いときは放蕩無頼の上に貧乏でもあり....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
るは、われ拙きにあらず。鈍きにあらず。源氏の将軍頼家卿がかく相成るべき御運とは、今という今、はじめて覚った。神ならでは知ろしめされぬ人の運命、まずわが作にあらわ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。非法に囚われたけれど、自分は法を犯してそれを逃れようとはしませんでした。しかし今という今、その心に動揺が起らないわけにはゆきません。 七 駒井能登守は例の洋....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
んだか。 お浜とても、今まで寝醒《ねざ》めのよいことばかりはなかったのですが、今という今、苦しがる郁太郎の面《かお》に文之丞の末期《まつご》の色がある。天井で....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
という子はわからない子だ、と浅吉は、これまでも幾度か首をひねらせられたのですが、今という今、ほんとに憎らしい子だ、と思いはじめました。 けれどもなお、一枚一枚....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
知らず識《し》らず人を犠牲にしていた大きな罪を、覚らずにはいられません、それを、今という今、痛切に責められたものですから、思わず歎息となりましたのです」 「何を....
道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
胸の中へ、邪婬の息を吹き込んだのだな。 依志子 (身をあがきて)妙念様―― 妙念今という今、己の眼に、ありありとした物の姿が見えて来た、これまでとうとい法力だと....