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今の今まで
「今の今まで〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今の今までの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔術」より 著者:芥川竜之介
、思わず椅子《いす》をずりよせながら、よくよくその花を眺めましたが、確かにそれは
今の今まで、テエブル掛の中にあった花模様の一つに違いありません。が、ミスラ君がそ....
「或る女」より 著者:有島武郎
ってください。
あゝいやだった事。義一さん、わたしこんな事はおくびにも出さずに
今の今までしっかり胸にしまって我慢していたのですけれども、きょうはどうしたんでし....
「或る女」より 著者:有島武郎
な声を出してしまった。それは実際思いもかけぬというよりは、ありそうな事ではあるが
今の今まで知らずにいた、それに葉子はあきれたのだった。しかしそれは愛子の目に自分....
「蠅男」より 著者:海野十三
うに、その場に立ち竦んだ。なるほどそれも無理なきことであった。なんということだ。
今の今まで一生懸命に呼びかけていた主人総一郎が、書斎の天井からブラ下って死んでい....
「海底大陸」より 著者:海野十三
きなむりをつくって、恐るべき機関の爆破が起こるかもわからないというのだった。 「
今の今まで、わがメリー号は眼が見えない者ばかりの手で運転されていたのか。そいつは....
「地球要塞」より 著者:海野十三
そして、敵艦は遂に、わが艦《ふね》を発見することが出来ないのである。 ――と、
今の今まで思っていたが、どうしたわけか、私は、とつぜん、非常な眩暈《めまい》に襲....
「火星兵団」より 著者:海野十三
もう一度その目玉のように動く大きなボタンを見た。すると、どうであろう。奇怪にも、
今の今まで見えていた二つのボタンは、あとかたもなく消えて、火星人の胸は前のように....
「怪塔王」より 著者:海野十三
さけびました。 「あっ、火がついた。青江の体に、火がついた」 さあ一大事です。
今の今まで、なんでもなかった青江三空曹の腰のあたりから、白煙がふきだしています。....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
かえしたそのときのことだった。 「えい、やっ!」 ふりしぼるような叫びごえが、
今の今まで死んだようになっていた、「火の玉」少尉の咽喉の奥からとびだした。と、彼....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
の決心 (そうだ。僕はぼんやりしていられない!) 正太は、はっと吾にかえった。
今の今まで彼は気のよい少年としてひっこんでいたが、彼は今こそふるいたつべき時であ....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
にもどった。その時、 「ぎゃ!」という妙な声、 「おや!」と頭をもたげた時には、
今の今まで前にいたリーロフの姿が見えない。 太刀川は、びっくりして下を見た。 ....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
ここにいたって丁坊は、機長「笑い熊」の考えがさっぱり分らなくなった。大悪人だと
今の今まで思っていたが、落下傘をつけて放すようでは、善人である。 「いや、善人と....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
なので、彼はこわごわ石油の空き函のなかから首をあげてみた。すると愕いたことには、
今の今まで、そこにあった地上五十尺の高さを持った大倉庫は跡片もなく崩れ落ちて、そ....
「暗号数字」より 著者:海野十三
し問答をしても、居ない者は居ないということであった。 遉の帆村も顔色をかえた。
今の今まで、内務省の情報部を預るお役人だと思っていた木村なる人物が夢のように消え....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
かしたぞ。全くおまえに似合わしい選び方だ。だがドモ又におはちが廻ろうとは俺も実は
今の今まで思わなかったよ。ともちゃんが戸部一人のものになって、明日から来なくなる....