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「今入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今入の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草迷宮」より 著者:泉鏡花
八幡不知。 第一要害がまるで解りません。真中へ立ってあっちこっち瞻しただけで、今入って来た出口さえ分らなくなりましたほどです。 大袈裟に言えば、それこそ、さ....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
音が始まった。予も子どもをつれて裏の田んぼへ出た。 朱に輝く夕雲のすき間から、今入りかけの太陽が、細く強い光を投げて、稲田の原を照り返しうるおいのある空気に一....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
ろがっていた。皆おちつきを失って、あっちに一かたまり、こっちに一かたまりとなり、今入ってきた七人組を横目でにらみながら、怪物の噂に花がさいている。 「あの七人組....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
いよ誰か来る) 時計を見ると、もう二三分で、例の午後四時三十分になる。すると、今入ってくる連中の中に死ぬ人が交っているのであろう。三千子は、その人々に見られた....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
開く。松ヶ谷学士は先頭になって飛び込んだ。 「灯を、灯を」 と叫ぶ警官がある。今入ったばかりの松ヶ谷学士がよろよろと入口へよろめき出て来ると、パタリと其儘斃れ....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
、貴賓室の内部がありありとうつりだした。 「ほら見ろ。何も知らず、金博士のやつ、今入ってきたわ」 博士は入口の扉をあけて、部屋の中へ入った。そして扉のハンドル....
地球盗難」より 著者:海野十三
の邸の中には、例の檻は別として、残っている人間は、岩蔵と、傷つける河村とそして、今入って来た大隅との二名しかない筈だった。その三人はいずれも門脇の小屋にこうして....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、その辺から鬼気とでも云いたい陰惨な空気が、静かに澱み下ってくるのだった。扉口は今入ったのが一つしかなく、左手には、横庭に開いた二段鎧窓が二つ、右手の壁には、降....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
抜くものがあった。 その間法水は外方を向いて、この室の異様な装飾を眺めていた。今入った板戸の上の長押には、土蜘蛛に扮した梅幸の大羽子板が掲っていて、振り上げた....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
法水の細心な思慮は、いち早く階段を駈け上ろうとする二人を引き止めて、まず検事に、今入った入口の扉際で張り番をさせ、自分はルキーンを伴って、階下の室々を調べ歩いた....
小公女」より 著者:菊池寛
たじゃアないの。」 ラヴィニアは真紅になりました。 ジェッシイのいった通り、今入ってきたセエラは、プリンセス・セエラでした。少くとも、セエラはプリンセス時代....
酒中日記」より 著者:国木田独歩
軍事上の秘密に属します」と軍曹酒気を吐いて「お茶を一ぱい頂戴《ちょうだい》」 「今入れているじゃありませんか、性急《せわし》ない児《こ》だ」と母は湯呑《ゆのみ》....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
だけはしなければならぬ。神に対する義務であるから清浄にしなければならぬ。「神流れ今入る我は永えの命の水と流れゆくなり。」今まで生命の流れのそとにいたものが飛びこ....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
れた。翁の気色が常ならんので怪みながら近よって見ると、 「古白が自殺してなもし。今入院さしたところよなもし。」と言われた。それで余らはすぐその足で病室に入って看....
明暗」より 著者:夏目漱石
。彼女はまだ起きていなかった。少くともまだ湯に入っていなかった。もし入るとすれば今入っているか、これから入りに来るかどっちかでなければならなかった。 鋭敏な彼....