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今出
「今出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いましたろう。
ある日――それも雪もよいの、底冷がする日の事でございましたが、
今出川《いまでがわ》の大納言《だいなごん》様の御屋形から、御帰りになる御車《みく....
「或る女」より 著者:有島武郎
て二人の話し声が耳に入らぬくらい遠ざかった。葉子は木部の口から例の感傷的な言葉が
今出るか
今出るかと思って待っていたけれども、木部にはいささかもそんなふうはなかっ....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
しろ》にして、お納戸色《なんどいろ》の薄い衣《きぬ》で、ひたと板戸に身を寄せて、
今出て行った祖母《としより》の背後影《うしろかげ》を、凝《じっ》と見送る状《さま....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
たので、ああ、落人でもないに気の毒だ、と思って、客はどんな人間だろうと、格子から
今出た処を透かして見る。とそこで一つ腰を屈めて、立直った束髪は、前刻から風説のあ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
け、自動車が河のように流れている明るい街路が見えた。外に出てみると、なんのこと、
今出てきたのは有名な××ビルだったのには愕いた。――僕は早速、通りがかりの円タク....
「海底大陸」より 著者:海野十三
気持をおさえて、かろうじて静かにしているという状態だった。なぜなれば、この汽船が
今出あっている災難というのが、一通りや二通りの災難ではない、じつに前代未聞の稀有....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
何を喋《しゃべ》っているのかな」 隆夫は、第三段目になって、ようやく高声器から
今出ている高声が、怪音というべき種類のものであることに注意をそそぐようになった。....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
。それを今、半分に破いてこっちへ寄越せ。 ちょッ、悪い者に見こまれたよ。じゃあ
今出して、それを半分にするから……ちょっと待っていて下さいよ。 その次に起った....
「火星探険」より 著者:海野十三
いて他にないんだからね」 「宇宙艇というものは、全然他では出来ないのですか」 「
今出来ているのは、われわれのものを除くとせいぜい月世界まで届くぐらいのものなんだ....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
は……」 金博士の姿は、こんどは埠頭に現れた。幸いに八千|噸ばかりの濠洲汽船が
今出帆しようとしていたところなので、博士はこれ幸いと、船員をつき突ばして、無理や....
「火星兵団」より 著者:海野十三
は、寝しずまったようにしずかであった。
「だめだねえ。とにかく、佐々刑事の電波は
今出ていない」
先生は、ちょっと、がっかりしたかたちであった。
ちょうど、そ....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
(変なことをいう少年だ) 太刀川は、ふしぎに思った。 「お前は、何をいうんだ。
今出ていったのは、お婆さんじゃないか。お前は目が見えないわけじゃなかろう」 「そ....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
しまったのかも知れない。その上、風間、木曾の二少年を発見した第四斥候隊も、たった
今出発した救援隊の到着するまで、うまく相手を防いでいるかどうか疑問である。何しろ....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
力を出した上になんにも食わないからだ。その時桂生はいいことに気がついた。羅漢豆が
今出盛りだぜ。火があるからちょっと失敬して煮て食おう。みんなは賛成した。すぐ船を....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
が五人も寄ってる癖に全くあなたがたは甲斐性なしだわ。 戸部 畜生……出て行け、
今出て行け。 とも子 だからよけいなお世話だってさっきも言ったじゃないの。いやな....