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今夕
「今夕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今夕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
してそれを書いた。そしてそのついでに星野にあてて一枚の葉書を書いた。
「兄の手紙
今夕落手。同時に父死去の電報を受取ったので今夜発ちます。御返事はあとから」
し....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
中にはただ上人と私と二人になった。
この汽車は新橋を昨夜九時半に発《た》って、
今夕《こんせき》敦賀に入ろうという、名古屋では正午《ひる》だったから、飯に一折の....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
僕は頗《すこぶ》る勇気を鼓《こ》し殊に平気な風を装うて門を這入った。家の人達は
今夕飯最中で盛んに話が湧いているらしい。庭場の雨戸は未だ開いたなりに月が軒口まで....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
自殺す。―― たいへんな標題から始まって、 ――T市長男爵高屋清人氏(五八)は
今夕六時、市長室に於てピストル自殺を企て重傷を負った。銃声に愕いて駈付けた守衛の....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
任であった人です。 貴方の異常な熱心さと、私の傾きかけた健康状態とが、とうとう
今夕の機会を作りあげて呉れました。もはや御察しのとおり、あの赤耀館事件には、発表....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
。 鹿島灘の護り いよいよ米国大空軍の来襲は、確かになった。 早ければ
今夕、遅くとも明日の夕刻までには、敵影が鹿島灘に現れることになろうと云うことであ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
許さずとしたとある。 いずれにしろ、ドイツも遂に無条件降服の外ないのであろう。
今夕、鈴木総理大臣はこれにつき放送した。趣旨は分り切ったことである。若い声だが、....
「海底大陸」より 著者:海野十三
置と、その報告の羅列だった。 「――しかし、けっきょくのところ、メリー号の行方は
今夕とおなじようにサッパリわからないのだ」 そういって艦長は、沈痛な顔をして言....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
圧倒的であり、したたかにやられた賊軍はすっかり、狼狽したらしい。彼等の記録に、「
今夕討死、疵を蒙る輩数を知らず。以の外のことなり。之を為すこと如何」と放心の状で....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
もっていって、ついには窓から次のような手紙を彼に投げあたえるようにもなった。 「
今夕は大使館邸で舞踏会があるはずでございます。伯爵夫人はそれにおいでなさるでしょ....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
ぎた主人の沙汰に、十太夫も少しあっけに取られていると、播磨は又静かにいった。 「
今夕の来客は水野殿を上客としてほかに七人、主人をあわせて丁度九人だ。皿は一枚欠け....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
「お聞きなさい――橘さん……いやしくも東京から家元同格の貴下がおいでだと云うで、
今夕、申合打合せのために出向いた、地謡、囃子方一同は、念のため、酒席といえども、....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
人物の清く高きを顕はすものなり。現に、平生はハイカラーを攻撃する石川氏の如きも、
今夕は非常のハイカラーを着け居るに非ずや云々と滑稽演説を試みて、満場の哄笑を博し....
「西航日録」より 著者:井上円了
くらし。満天星近く懸かり、港内の灯光上下点々、あたかも蛍火を見るがごとき観あり。
今夕、福島将軍入港の報あれども、帰船後にして相会するを得ず。二十九日暁天解纜、西....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
らんとす。一帯の連山を右岸に望む。これ、すでにビクトリア州なり。午後、降雨あり。
今夕、船医秋洲氏の好意により、牛鍋会を催す。一酔の後、戯れに「ヤギと聞き羊ならん....