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「今尚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今尚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
しく言えば六月十日に、折柄来訪して来た笛吹川画伯の頓死事件を開幕劇として怪奇劇は今尚、この館に上演中なのです。 笛吹川画伯は、その日、午後三時をすこし廻ったと....
故郷を想う」より 著者:金史良
で息を引取った。その死は今思うだに悲痛なものに感じられてならない。それを書くには今尚私の心の痛みがたえられそうもない気がする。彼女は私のはらからの中では一等器量....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
検挙を一日も早くしなければならんぞ。逃走後既に三、四週間にもなっている。然も彼は今尚毎日のように警察に宛て、愚弄嘲笑の限りを尽した手紙を寄越すではないか。実に横....
光と風と夢」より 著者:中島敦
した。所で、我々より先に出獄した他の酋長等の中には、その釈放される時の条件として今尚、政府の道路工事に使われている者が随分いる。それを見て、我々もツシタラの家の....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
れらの人達はどこへ行ったろう? 山吹は既に死んだ筈である。しかし多四郎や猪太郎は今尚|活きている筈だ。 鏡葉之助は小屋の前にやや暫時立っていた。不思議にも彼の....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
である。 以来、私は、もう死ぬかと思いつつ、印度洋を越えてフランス迄も出かけて今尚お生きてはいるが、生きている事に大した自信をもっていない私が、難産をつづけ乍....
世界新秩序の原理」より 著者:西田幾多郎
は各国家民族の独自性を否定することではない、正にその逆である。世界と云えば、人は今尚十八世紀的に抽象的一般的世界を考えて居るのである。私の世界的世界形成と云うの....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
研究的に、仏教には殆ど陶酔的状態に見うけられます。 現在に対する虚無の思想は、今尚氏を去りません。然し、氏は信仰を得て「永遠の生命」に対する希望を持つ様になり....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
かあらぬか、同地の神明社内には現に小桜神社(通称若宮様)という小社が遺って居り、今尚お里人の尊崇の標的になって居ります。 次に当然問題になるのは小櫻姫とT女と....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
試みた位であった。霊達の世迷言は全く同情に値する。 翻って日本の現状を観ると、今尚お暗雲低迷、一方に古経典の講義でもすることが、信仰上の最大急務と思い込んで居....
南島譚」より 著者:中島敦
他村へモゴルに行ったものだという。 さて、今一つのヘルリス即ち恋喧嘩に至っては今尚到る所で盛んに行われている。人間の在る所恋あり、恋ある所嫉妬ありで、蓋《けだ....
天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
ます。 見ている中に老人は地上間近く近寄りましたが、よくよく見れば其の老人は、今尚草の上に胡座を掻き呼吸を吐いている老人と、瓜二つではありませんか、似たという....
英彦山に登る」より 著者:杉田久女
旅館になり、農になり或は葛根をほってたつきとしている。山坊の跡は石段が峰々谷々に今尚みちていて、田となり畠となり、全村には筧が縦横にかけわたされてそうそうのねを....
梟啼く」より 著者:杉田久女
あったが、母たる悲しみと妻たる務めとの為めに千々に心を砕きつつあった。その苦痛は今尚お私をして記憶せしめる程深刻な苦しみであったのである。 八重山丸とか云う汽....
遠州地方の足洗」より 著者:喜田貞吉
民の営める皮細工・草履細工を全廃し、足洗ひと称し、従来の細工道具を村社に奉納す。今尚同地氏神社殿には昔の道具伝り、存在せりとの説あれ共、殆ど今日にては過去の痕跡....