今戸焼[語句情報] » 今戸焼

「今戸焼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今戸焼の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
顔が気に喰わないのって――そりゃあ酷《ひど》い事を云うんだよ。自分の面《つら》あ今戸焼《いまどやき》の狸《たぬき》見たような癖に――あれで一人前《いちにんまえ》....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
―京、伏見、奈良、博多、伊勢、秋田、山形など、どなたも御存知のものばかりで、例の今戸焼もたくさんあります。シナ、シャム、インド、イギリス、フランスなども少しばか....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
足袋にも穴があいている。私は若いのに、かさかさに乾いている。ずんぐりむっくりだ。今戸焼の狸《たぬき》みたいだ。どうせそんなものよ。ねえ、カンノン様。私はあんたな....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
自然の美に接せねばやまぬ。 麦の穂漸く色づいて、田園の風致いよいよ濃やかな頃、今戸焼の土鉢に蒔きつけた殻の青々と芽生えて、宛ら早苗などの延びたらんようなるに、....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
まし」 と云いながら障子を明けて中へ通ると、六畳ばかりの狭い所に、真黒になった今戸焼の火鉢の上に口のかけた土瓶をかけ、茶碗が転がっている。脇の方に小さい机を前....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
驚きましたが、 太「これ何を致す、人違いをするな」 と云いながら傍に有りました今戸焼の蚊遣火鉢を取って打付けると、火鉢は山之助とお繼の肩の間をそれて向うの柱に....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
まいが、この辺の土地は今でも一間も掘り下げると、粘土が層をなしていて、それが即ち今戸焼には好適の材料となるので、つまり暗黙のうちに物々交換をする訳なのである。 ....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
た。あとは池の廻りや花屋敷の近所に、堅気《かたぎ》な茶店で吹きさらしの店さきに、今戸焼の猫の火入れをおいて、牀几《しょうぎ》を出していた。 銘酒屋は、十九年の....
西林図」より 著者:久生十蘭
っているらしかった。 囲爐裏には黒く煤けた竹筒の自在鍵がかかり、手焙りは粗末な今戸焼、床の間には木の根ッこの置物が一つあるだけで、香爐にも柱掛にも、茶がかった....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
と思えばそれでもようござんす。それから○い顔にして、□い胴にして△に坐っている、今戸焼の姉様だと思えばそれでも可うございます、袴を穿いた殿様だと思えばそれでも可....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
」云々。 狸の小勝 死んだ小勝がしばらく名声隆々としだしてきた頃、「今戸焼」などのまくらで、羽子板には人気役者の二人立ちてのがよくあるが、役者ばかし....
水のながれ」より 著者:永井荷風
下には一条《ひとすじ》の細い町があって両側に並んでいる店付の質素な商店の中には、今戸焼の陶器や川魚の佃煮《つくだに》を売る店があって、この辺一帯の町を如何にも名....
すみだ川」より 著者:永井荷風
つもりで、実は大分ふらふらしながら歩いて行った。 そこ此処《ここ》に二、三軒|今戸焼《いまどやき》を売る店にわずかな特徴を見るばかり、何処《いずこ》の場末にも....