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「今晩は〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今晩はの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
、先生のような倫理学界の大家の御説を伺いましたら、自然分別もつこうと存じまして、今晩はわざわざ推参致したのでございます。いかがでございましょう。御退屈でも私の身....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
うか》の籠《かご》に、緑色の鸚鵡《おうむ》が飼ってある。その鸚鵡が僕を見ると、「今晩は」と云ったのも忘れられない。軒の下には宙に吊《つ》った、小さな木鶴《もっか....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
。 Sさんは日の暮にも洗腸をした。今度は粘液もずっと減《へ》っていた。「ああ、今晩は少のうございますね」手洗いの湯をすすめに来た母はほとんど手柄顔《てがらがお....
魔術」より 著者:芥川竜之介
いながら、すぐその玄関のつきあたりにある、ミスラ君の部屋へ私を案内しました。 「今晩は、雨の降るのによく御出ででした。」 色のまっ黒な、眼の大きい、柔《やわら....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
子《ようす》にも頓着せず、いきなり格子戸をがらりとやると、狭い土間に突立って、「今晩は。」と一つ怒鳴ったそうです。その声を聞いたばかりでも、誰だろうくらいな推量....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《もうしわけ》がございやせん。 何しろ、まあ、御緩《ごゆる》りなすって、いずれ今晩は手前どもへ御一泊下さいましょうで。」 と膝をすっと手先で撫《な》でて、取....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
、払子、錫杖を左右に、赤い獅子に騎して、文珠師利が、悠然と、草をのりながら、 「今晩は――姫君、いかが。」 などと、お話がありそうである。 と、麓の牛が白象....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
煩く笛を吹くない。」 かたりと門の戸を外から開ける。 「ええ、吃驚すら。」 「今晩は、――饂飩六ツ急いでな。」と草履穿きの半纏着、背中へ白く月を浴びて、赤い鼻....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
て、抜けるほど色が白い、ちと大柄ではありますが、いかにも体つきの嫋娜な婦で、 (今晩は。) と、通掛りに、めし屋へ声を掛けて行きました。が、※と燃えてる松明の....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
切って声を掛けた時、俊吉の手は格子を圧えて、そして片足|遁構えで立っていた。 「今晩は。」 「はい、今晩は。」 と平べったい、が切口上で、障子を半分開けたのを....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、と深切なのは、うしろを通して立ったまま見送ったそうである。 が、開き直って、今晩は、環海ビルジングにおいて、そんじょその辺の芸妓連中、音曲のおさらいこれあり....
」より 著者:池谷信三郎
しゃらないこと? ……この間話したあの人といっしょなのよ。紹介してあげるわ。……今晩はチァイコフスキイよ。オニエギン、…… ――オニエギン? ――ええ。……来な....
ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
の鳥かごには、小夜鳴鳥がいて、よくうたいます。これといって教育はないでしょうが、今晩はいっさいそういうことは問わないことにしましょう。」 すると、湯わかしが、....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
おっと合点お茶の子で飛出した。 わっしょいわっしょいと謂う内に駆けつけて、 「今晩は。」というと江崎が家の格子戸をがらりと開けて、 「今晩は。」 時に返事を....
活人形」より 著者:泉鏡花
非人。いずれも法衣を絡いたる狼ぞかし。 高田は得三を見て声をかけ、「赤城|様、今晩は。得三は出迎えて、「これは高田|様でございますか。まあ、こちらへ。と二階な....