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今更感
「今更感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今更感の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
辺へは、滅多においでなさいましたことはござんせんでしょうにねえ。」 小芳はまた
今更感心したように熟々云った。 「はあ、分らなくってね。私、方々で聞いて極りが悪....
「聖書」より 著者:生田春月
出し物だ。ヴィクトリア朝のものじゃない、どうしても百年前のものだね」 「へえ」と
今更感心して見る。 「夜店で買ったんだ。初め十銭だって云ったが、こんなもの買う人....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
でしょう」 かの女は、それは当っていると思った。しかし、真面目に規矩男の洞察に
今更感謝する気にもなれなかった。かの女は誤解されても便利の方がいいと思うほど数々....
「縮図」より 著者:徳田秋声
由は利かず、徒らに頭ばかり重いので、前に※って肩を突き、いかに大病であったかを、
今更感ずるのだったが、やがて室へ盥をもち込み、手首や足をそっと洗うほどになり、が....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
否、立派な美事をどうして彼はかくそうとしたか、これが謎だよ」
「ふうん」
私は
今更感心して考えこんでしまつた。
「うん、素性と云えば、早川辰吉の性質がよく判つ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
之丞、長崎屋の、血の涙のくり言を、苦い微笑で聴きながら、老師孤軒先生の、先見に、
今更感動を禁じ得ぬのだ。
――何もかも、老師のおおせられた通りだ。広海屋、長崎....
「三月の第四日曜」より 著者:宮本百合子
ようだった。このサイレンが鳴り出すとその音の太さ高さから附近一帯の家並の小ささが
今更感じられる。 残業の日で、一しきりサイレンにふるわされた空気も鎮り、夕方の....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
卓見でもあるかのように感心されるのを見るからで、杉山平助ではないが、そんなことに
今更感心するのは、そういう境地そういう契機を、まだ一遍も通過したことがなかったと....