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今朝方
「今朝方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今朝方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
都合の好い位置を択《よ》って、何の囲《かこ》いもない所へ、そっと北枕に寝かした。
今朝方《けさがた》玩弄《おもちゃ》にしていた風船玉を茶の間から持って来て、御仙が....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
のよい読者は、彼が、いつの間にか、東京警備司令部の地下街に忍びこんでいたことや、
今朝方のこと、お茶の水附近で、湯河原中佐や塩原参謀の乗っていた偵察機に、赤外線写....
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
しさに、一騒ぎ騒ごうと思って、彼はそのまゝ電車に乗って品川に至り、某楼に登って、
今朝方帰って来たのだと云う。 「一体あなた方は」彼は不足そうに云った。「私を逃が....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
度私の番の時です。そいつに違いないのです」 巡査は答えた。 彼の話によると、
今朝方支倉はブラリとこの交番を訪ねて、繃帯をした腕を示しながら、 「私は此間電車....
「山の神殺人」より 著者:坂口安吾
いてると云うんです。それを払ってやるというんですな。昨日まではそうだったんだが、
今朝方から、不二男の奴、合掌して、お加久に合せてお題目を呟いてる始末ですよ」 ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
とが出来た。 で、樵夫夫婦に礼を述べ、丹生川平への道筋を、夫婦の者に教えられ、
今朝方|出発って来たのであった。 茅野雄は曠野の美しい景色に、一種の恍惚を感じ....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
思っているのだ。 「なんのあなた、正の金ですよ」 「どうも俺にはわからない」 「
今朝方お帰りでございましたが、やはり昨夜は狩野様で?」 「いやいや違う。そうでは....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
吉は、恐がらせては不可ないと、こう思ったに相違ない、丁寧な調子で話しかけた。 「
今朝方帰ったという加賀屋さんの手代、何か持ってはいませんでしたかえ?」 「へい」....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
猿廻しから得た独楽と隠語と、お館の中に内通者ありという、自分の意見とを松浦殿へ、
今朝方早く差し上げたが、その結果女の内通者が、お館の中で見付かったかしら?) ....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
済むまいと聴いたときから、若者|頭の此のわたし、心で覚悟はしておりました。それに
今朝方思いがけないおくみとの盃。それを済ますと親子の旅立ち、行先を訊いてもただ遠....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
証人にでも招ばれますんで。――」 「ところが、そうでないんだ。お前さんのことで、
今朝方、自身番から差紙が来たんだ」 「え、あっしのことで。――」 歌麿は、治郎....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
が、どこにも増してよかったせいか、枕に就くとそのまゝ眠りに落ちたので、実をいえば
今朝方|厠《かわや》へ起きるまでは、これから先の暮し方など、とやこう考えていた訳....
「子供の霊」より 著者:岡崎雪声
ともあるものだと、怪しみながらに遂その儘寐てしまったのだ。夜が明けると、私は早速
今朝方見た、この不思議なものの談を、主人の老母に語ると、老母は驚いた様子をしたが....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
取乱されている裏二階の四畳半は、昨夜舞踊家の木村が帰った後、輸入商の矢田が来て、
今朝方帰りがけに窓の雨戸一枚明けて行ったままで、消し忘れた天井の電燈さえまた昨夜....
「狐」より 著者:永井荷風
ょう。」 鳶の清五郎は※小屋の傍まで、私を脊負《おぶ》って行って呉《く》れた。
今朝方、暁《あかつき》かけて、津々《しんしん》と降り積った雪の上を忍び寄り、狐は....