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今様
「今様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
《もりとお》は徘徊を続けながら、再び、口を開かない。月明《つきあかり》。どこかで
今様《いまよう》を謡《うた》う声がする。
げに人間の心こそ、無明《むみょう》....
「俊寛」より 著者:菊池寛
つく。 そして、この少女が歌をうたっているのだということが分かる。それは朗詠や
今様などとは違って、もっと急調な激しい調子である。が、そのききなれない調子、意味....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
士の波濤のような魔手に弄ばれ続けて、とどのつまり生命の断崖から、突き落されたこの
今様グレートヘンが……、なんとなく死因に対する、法水の道徳的責任を求めているよう....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、俺はどんな蛮地にいようとも、立派なドイツ国民として行動して見せるのだ」 この
今様ロビンソン・クルーソーがなにを言いだすのだろうと、一同は興味深く顔をのぞき込....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
れて、でかでかに報道された。曰く“心臓盗難男の恋の鞘当て”曰く“奇賊烏啼も登場の
今様四角恋愛合戦”また曰く“無心臓男の恋の栄冠”と。 このように敏感なる報道陣....
「金属人間」より 著者:海野十三
が見つかったぞ。エジプト手相よりは、ずっともうかるにちがいない。二十世紀の奇蹟|
今様文福茶釜《いまようぶんぶくちゃがま》――ではない文福釜《ぶんぶくがま》。……....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
部さん。私はあなたの御依頼によって田川氏の行方を突き停めようとしてこそあれ、あの
今様弁天さまの魅力に擒になっているわけじゃありませんよ」 春部は、何とも応えな....
「死者の書」より 著者:折口信夫
言うお名は、御門御垣と、関係深い称えだ、と承って居ります。大伴家からして、門垣を
今様にする事になって御覧じませ。御一族の末々まで、あなた様をお呪い申し上げること....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
、また、それが動機となって、女王の不思議な運命悲劇が始まったのだ。ところが、この
今様ニーベルンゲン譚詩になると、その氷島というのが何処あろうトリエステなんだよ」....
「詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
いるのだと言う反省などは、持つ事の出来ない時代であった。ある人々は、七五調四行の
今様を準拠としようとし、ある人々は、五七連節の長歌によろうとした外は、漠然と西洋....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
り、三勝半七のお園の髪も確か鴛鴦だったと思います。 昔のおしどりがそのままでは
今様にしっくりしないというので、私はそれではぐるりを桃割にし輪毛をおしどりにした....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
用せらる)前草が云ひけるは、歌は第一の句を短く歌ひて吉なりとぞ云ひける。又云ふ、
今様は本体は律なり。然而呂律倶に存也。くゞつの様は呂音に歌ふなり。比巴法師の歌又....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
い、井戸茶碗も作ろう、望むところはすこぶる高い。しかし、ために京から招いたのが、
今様染付屋さんで茶のありようがない。まず第一回の失敗を経験し、こんどこそとばかり....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
、苦労を積んだ、頭のよいできた人物といえよう。その気骨稜々意気軒昂たる気構えは、
今様一心太助といってよい。こちらがヘナチョコでは、おくれをとって寿司はまずいかも....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
や俊成と心を通わしたあの大原の三寂のうちで、寂然は『唯心房集』に四十九首の創作|
今様をのこしたし、鴨長明のこころみた『方丈記』の散文体は、明澄の理智を写すに適し....