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「今猶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今猶の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
の手掛かりを得たのであるか、未だ其の辺の事情を聞かぬけれど、兎に角も其の怪しさは今猶昨の如しである、之が今茲でお浦の口から分るかと思えば殆ど後の言葉が待ち遠しく....
聖書の読方」より 著者:内村鑑三
の此一言も亦未来を語る言として読むべきものであることを、イエスは第二十世紀の今日今猶お顕わるべきものである、彼の国は今猶お臨るべき者である、而して其の終に臨るや....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
だ尽く目を通していなかったが、デュポン・トーベルヴヰ※等、其製版摺刷の精妙巧緻は今猶お眼底に残って忘れられない。 其中には又クラインマンのアッシリア壁画の帖が....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
有の現象であろう。文人としての今日の欲望は文人同志の本家争いや功名争いでなくて、今猶お文学を理解せざる世間の群集をして文人の権威を認めしむるのが一大事であろう。....
今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
ランス現代文学の思想的対立)。 ジイドの「感覚の玄人」の腕に魅せられた人々は、今猶上に引いた序文の言葉の魔術や、八方からの反撃にかかわらずジイドが飽くまで真理....
私の覚え書」より 著者:宮本百合子
発し、警視庁、帝劇、三越、白木屋、東京駅、帝国大学その他重要な建物全焼、宮城さえ今猶お燃えつつある。丸の内、海上ビルディング内だけでも死者数万人の見込み、東京市....
日記・書簡」より 著者:宮本百合子
しょう。どうせ六甲へ行ったらホテルまで登ってしまえばきっと涼しい、大橋房子の涙痕今猶新なり、だろうけれど。――然しこれをもやーさん読むときは、すべて、かったなわ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
さえなく、これに比べれば国展の梅原龍三郎の二つの絵など、多くの疑問は与えながら、今猶絵としてまざまざと印象をのこしています。今度の二科は出たら何一つのこらず、あ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
のピシカート(指頭奏法)で桜坊色の小さな丸帽子の主題が演奏されるのをききました。今猶耳についている。 四月十二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕....
上野」より 著者:永井荷風
是日また大行寺の門前を通り過ぎて、わたくしは偶然東都歳事記に記載せられた垂糸桜の今猶すこやかである事をも知ったのである。わたくしは桜花の種類の多きが中に就いて其....
巷の声」より 著者:永井荷風
のは稀であるが、その中に就いて、曳尾庵がわが衣の如き、小川顕道が塵塚談の如きは、今猶好事家必読の書目中に数えられている。是亦わたくしの贅するに及ばぬことであろう。 昭和二年十一月記....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
例祭に社参し、一夜の参籠を為すに非ざれば、嫁がざるもの多しと。之を御通夜と称し、今猶行はるといふ」とある。やはり筑波の歌かがいと同じく、もとは未婚の女子の夫定め....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
なり、(中略)今公納堂の遺迹と謂ふもの、北側東の端同町の会所是なり。本尊阿弥陀仏今猶存す。 又当町号所舞楽人の家数多あり。是元興寺の余計なり。 とある。公納堂....