今秋[語句情報] » 今秋

「今秋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今秋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
暴挙で大量生産を敢てした円本の残本を各地方から東京へ返送して来た総数は、昨夏以来今秋までの間に約三百万冊である、其三百万冊を小車、自動車、汽車、汽船等に積み卸し....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
で、十円以下の品物の賞品を二三十積み上げて、表にこんな大看板を立てる。 「当店が今秋の破格大安売りとして提供すべきこの品の一号二号三号までの価格を御決定下さい。....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
れて来るのだった。 しかし何といっても秋本の方にまだしも脈がありそうに思えた。今秋本が彼女の動静を探らせに、わざわざ番頭を寄越したとなると、場合は葉子に不運で....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
かり近付きにくいので、私は早速まず林田のところにその夜かけつけた。 「小川さん、今秋川家から戻つたところです。今日、初江さんの埋葬があつたものだからね」 「そう....
赤い貨車」より 著者:宮本百合子
ィッチ・クルジジャノウスキー、歴史部ポクロフスキー、哲学部の候補にはブハーリン。今秋四十何人か全然新しい会員が選挙されるということに老教授は歓喜を感じ得ないのだ....
無系統虎列剌」より 著者:夢野久作
時を移さず警察へ報告したので、B町中が忽ち引っくり返るような騒ぎだ。何しろB町は今秋の大演習の御野立所になる筈だったんだからね。西木、斎藤の両家は勿論のこと、前....
惜別」より 著者:太宰治
けた医専の角帽はまだ新しく、帽子の徽章もまぶしいくらいにきらきら光って、たしかに今秋の新入生に違いなかった。何だか一、二度、教室でその顔を見かけたような気もした....
人造人間」より 著者:平林初之輔
容が、多分に誇張されて報道された。「人造人間の発見」「試験管から人間が生れる」「今秋までにはオギャアと産声をあげる」というようなセンセーショナルな標題をかかげて....
シグナルとシグナレス」より 著者:宮沢賢治
そうですね」 「ええ、まあ、火が少し白くなったわ、せわしく燃えますわ」 「きっと今秋ですね。そしてあの倉庫《そうこ》の屋根《やね》も親切でしたね」 「それは親切....
祭日ならざる日々」より 著者:宮本百合子
千人針の女のひとたちが街頭に立っている姿が、今秋の文展には新しい風俗画の分野にとり入れられて並べられている。それらの女のひと....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
も訓んでいる。一周忌の歌だろうという説もあるが、必ずしもそう厳重に穿鑿せずとも、今秋の清い月を見て妻を追憶して歎く趣に取ればいい。「衾道を」はどうも枕詞のようで....
十日の菊」より 著者:永井荷風
いこう》の難、しばしば人をして長大息《ちょうたいそく》を漏らさしむるが故である。今秋不思議にも災禍を免《まぬか》れたわが家《や》の庭に冬は早くも音ずれた。筆を擱....
国会図書館のこのごろ」より 著者:中井正一
ており、その中には牧野英一先生のような大学者から新進気鋭の学徒まで含まれている。今秋は法律図書館を開設し、支部の最高裁判所図書館、法務府図書館や東大と並んで一大....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
木造、石造、煉瓦造り相混じ、屋根はすべてトタンぶきにして、二階建てを限りとす。昨今秋冷の候なれども、その日光の強きこと、わが三伏の時のごとし。店前はホンコン、マ....
銀河まつり」より 著者:吉川英治
初夏ならばこの辺、佐久地方の高原から流れて繁殖した月見草の黄色さで夜も明るい。今秋草は川洲のどこにも伸びていた。 ピピピ、ピピピ、と河鹿の啼く闇がなんとなく....