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今身
「今身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今身の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
り計いで、余り窘めずに方を附けたい、余「権田さん、夫は甚いと云う者です、秀子は昨
今身に余る程の心配を持って居ますのに夫を又劫かすなどとは余り察しのない仕方では有....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
てもう半年くらいはどうしても待っていてもらわなければならぬ。それでも是非とも今に
今身を退かねばならぬという止みがたい事情でもあるなら、ほかにしかたがない、その場....
「舗道」より 著者:宮本百合子
よろこばないでしょ? 帰りをいそいだり、欠勤が多いって云ったり。――はる子さんが
今身持んなって、それでクビんでもなったらとても暮しちゃいけないことになるもんだか....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
又勇を鼓して一歩踏み出して附け加えた。 「……ええ……なお一言申上げます。実は只
今身支度のため楽屋へ引取りましたカルロ・ナイン嬢は、只今から演じまする馬の舞踏会....
「旅愁」より 著者:横光利一
たりした。しかし、家を一歩外に出たもので、胸奥に絶えず描きもとめているふるさと、
今身を置く郷との間に心を漂わせぬものは、恐らく誰一人もいなかったことだろう。して....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
口まで参りまして、 美「ちょいと藤川さん」 庄「なぜ出て来た」 美「出て来たって
今身請の話が始まったばかりで、何だか訳も解らないのに、あんな事を云って、色でも恋....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
えると、滝がござります。そこまでも夜分参るものは少い位で、その奥山と申しますと、
今身を投げようとするものでも恐がって入りませぬ。その中でなければ無いと申しますも....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
な此処にいるのは番頭さんでがんすか、私ア遠い山国から出て来て、頼る所もねえから、
今身を投げべえと思った所を、此方の旦那様に助けられましたものでがんす、どうか目を....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
悲しみと、萬朝の喜び悲しみと、思いを同じゅうしたこの師匠と弟子の魂と魂とは、今ぞ
今身も世もあらずピッタリと触れ合い、溶け合い、抱きしめ合って、早春《はる》の夜更....