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今迄
「今迄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
今迄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
す。 私でさえ、これは一番貴女に願って、逢ってやって頂きたいと思いましたから、
今迄|幾度か病人に勧めても見ましたけれども、いやいや、何にも御存じない貴女に、こ....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
けて仕方がない程の気持の中にも、何か異常を感じたのだろう、ひょいと立上った彼は、
今迄坐っていた足の下をぞろりと撫でてみたのち、何かに触れて声を上げた。 「何だ何....
「蠅男」より 著者:海野十三
奇異な人間が存在し得るのか? それにしても、蠅男が鴨下ドクトルに化けていたのを
今迄誰も知らなかったとは、なんという迂濶なことだろうか。帆村も、それを真逆今日に....
「食魔」より 著者:岡本かの子
、繰返さでは満足しない執拗さを持っている。こんな力が世の中に在るのか。鼈四郎は、
今迄、いろいろの食品を貪り味ってみて、一つの食品というものには、意志と力があって....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
葉子は早速麻川氏に手紙を書いたが、その返事がいつまでたっても来なかった。葉子は
今迄ひとに返事の必要の手紙を出して返事を貰わなかった覚えが無かったので、いくらか....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
「ああ、ダンケルク! おお、そうだ。思い出したぞ!」 その瞬間に、彼は、今の
今迄|喪失していた一切の過去の記憶を取り戻した。 おお、覚醒! 記憶は蘇った。....
「怪塔王」より 著者:海野十三
か。それが、かねてわしの狙っていた日本の武力を、根こそぎ壊すのに役立つどころか、
今迄に軍艦|淡路と十数機の飛行機を壊しただけで、もうこっちがあべこべにやっつけら....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
に対し、只今連絡中でございますから、もうしばらくおまちねがいたいものです。しかし
今迄の報告では、月世界は昔のとおりの無人の境地だと書いて居りました。もし偵察者2....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
です。そんな事は当然結婚前に知っていなければならないはずなのです。 けれども、
今迄の若い娘達はたいてい若い男に会って、それほど冷静に人間を観るなどという教育は....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ふらふらと起き上りましたが、不思議にそれっきり病人らしい気持が失せて了い、同時に
今迄敷いてあった寝具類も烟のように消えて了いました。私はその瞬間から現在に至るま....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
車で帰京しているんです。勿論、兇行時間に約一時間半の開きがありますし、各方面での
今迄の調査に依れば、他に容疑者らしい人物がこの町へ這入った形跡は殆どないし、尚旅....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
はあの時はもう駄目だと思ったが、それでもよく気が付いた。」 と月野博士が答える。
今迄|喘ぐように苦しげに呼吸していた晴次はこの時ようよう口を開いて、 「叔父さん....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
引いて、頃を見計って全開だ。轟と凄まじい音と共に機体がスイと空に吸い上げられて、
今迄太い細い線模様を描いていた地面が、忽ち野や山や人家が箱庭のように、小さく瞭り....
「寛政時代の娘納涼風俗」より 著者:上村松園
月蝕は
今迄余り多く描かれて居りませんから一度描いてみたいと胸に浮びましたのが動機です。....
「活人形」より 著者:泉鏡花
。されば高楼より狙い撃たれ、外よりは悪僕二人が打揃いて入り来しは、さすがの泰助も
今迄に余り経験無き危急の場合、一度は狼狽したりしが、かねて携うる絵具にて、手早く....