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「仏参〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仏参の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
手に渡した。が、どうもすぐに書斎へは通りたくない。 「お百《ひゃく》は。」 「御仏参《ごぶっさん》においでになりました。」 「お路《みち》もいっしょか。」 「は....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
うね》く兵衛を待ち続けた。実際敵を持つ兵衛の身としては、夜更《よふ》けに人知れず仏参をすます事がないとも限らなかった。 とうとう初夜《しょや》の鐘が鳴った。そ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
要作夫婦は蒼《あお》くなって、どうぞ自分たちに難儀のかからないようにと、神信心や仏参りをして、可哀そうなくらいに心配しています。あの夫婦はこの町内に八年も勤め通....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
がここへ通りかかったのを見て、無言で土に頭を下げると、夫婦も思わず立ちどまった。仏参の帰りに乞食をみて、夫婦はいくらかの銭を恵んでやろうとしたのではない。今度の....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
者の姓名等も申上げず、恐入りましたが、拙者は粂野美作守家来渡邊織江と申す者、今日仏参の帰途、是なる娘が飛鳥山の花を見たいと申すので連れまいり、図らず貴殿の御助力....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の人も気を配って来た。たとえば、毎年正月の八日には馬籠仲町にある檀家の姉様たちが仏参を兼ねての年玉に来る、その時寺では十人あまりへ胡桃餅を出す、早朝から風呂を焚....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
間を彼岸という、昼夜とも長短なく、さむからず、あつからざる故|時正といえり。彼岸仏参し、施しをなし、善根をすべしとある。 彼岸七日の真中を中日という、春季皇霊....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
思い切りよく飲んでしまった。 一方趙家では、蝋燭も線香もつかわずに、大奥さんが仏参の日まで蔵っておいた。そうしてあの破れ上衣の大半は若奥さんが八月生んだ赤坊の....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
慌てて会釈した。 「おお、小石川の伯母上、どうしてここへ……」 「赤坂の菩提所へ仏参の帰り途によい所へ来合せました。天下の御旗本ともあるべき者が町人どもを相手に....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
されていた。 一、本葬之儀は諸君へむだの日を費させ候に付堅く不可致事、但し初七日仏参之儀は都合に依り四十九日を当日と定め相延し可申事。 右者亡父遺言状仮葬之翌日....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
しているが身綺麗にして、男の供も連れていない様子。近国に住む良家の者の、神詣でか仏参か。徒然の春の旅か。そんなふうに見うけられる。 「……何?」 伊織は、振向....
大岡越前」より 著者:吉川英治
は、大きく、うなずいた。 「あいにくまた、その日が、将軍家の御生母様が、護国寺へ仏参の日にもあたり、燕を黒焼にし、子に服ませたなど、極罪なりと、要人夫婦は、断罪....