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仏壇
「仏壇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仏壇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
ことである。
この姉を初子と云ったのは長女に生まれた為だったであろう。僕の家の
仏壇には未だに「初ちゃん」の写真が一枚小さい額縁の中にはいっている。初ちゃんは少....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
ちん》をふっと消す、と蝋燭《ろうそく》の匂《におい》が立って、家中《うちじゅう》
仏壇の薫《かおり》がした。 「呀《や》! 世話場《せわば》だね、どうなすった、父....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
蔦ちゃんが、手を突込んだ糠味噌なんざ、打棄るのは惜いから、車屋の媽々に遣りさ。お
仏壇は、蔦ちゃんが人手にゃ渡さねえ、と云うから、私は引背負って、一度内へ帰ったが....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
古家を毀したのは遅くもその年の春だったであろう。 二 位牌 僕の家の
仏壇には祖父母の位牌や叔父の位牌の前に大きい位牌が一つあった。それは天保何年かに....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
そのお美しさが忘れられません。勿体ないようでございますけれども、家のないもののお
仏壇に、うつしたお姿と存じまして、一日でも、この池の水を視めまして、その面影を思....
「春昼」より 著者:泉鏡花
きっと誰にも饒舌るでねえぞ、と言い続けて、内へ帰って、納戸を閉切って暗くして、お
仏壇の前へ筵を敷いて、其処へざくざくと装上げた。尤も年が経って薄黒くなっていたそ....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
言葉に従いますわ。時に久しぶりで、ちょっと、おふくろ様に御挨拶を申したい。 村越
仏壇がまだ調いません、位牌だけを。 七左 はあ、香花、お茶湯、御殊勝でえす。達者....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、事も慇懃に出迎えた、家の隠居らしい切髪の婆様をじろりと見て、 (ヤヤ、難有い、
仏壇の中に美婦が見えるわ、簀の子の天井から落ち度い。)などと、膝栗毛の書抜きを遣....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ず、置炬燵の同じ隅に凭れていた。 内へ帰ると、一つ躓きながら、框へ上って、奥に
仏壇のある、襖を開けて、そこに行火をして、もう、すやすやと寐た、撫つけの可愛らし....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
めては、ちびりと飲む。塩辛いきれの熟柿の口で、「なむ、御先祖でえでえ」と茶の間で
仏壇を拝むが日課だ。お来さんが、通りがかりに、ツイとお位牌をうしろ向けにして行く....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
車の中で睡るにもその上へ白髪の額を押当てて頂いた、勿体ない、鼠穴のある古葛籠を、
仏壇のない押入の上段に据えて、上へ、お仏像と先祖代々の位牌を飾って、今朝も手向け....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
ウばかりの弟ばかり。 父は塗師職であった。 黄金無垢の金具、高蒔絵の、貴重な
仏壇の修復をするのに、家に預ってあったのが火になった。その償いの一端にさえ、あら....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
から、お骨折ではかえって恐縮です。……それに、……唯今も申しました通り、然るべき
仏壇の用意もありません。勿体なくありません限り、床の間か、戸袋の上へでもお据え申....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
て見ましたが、扉は錠が下りています。虹の帳、雲の天蓋の暗い奥に、高く壇をついて、
仏壇、廚子らしいのが幕を絞って見えますが、すぐに像が拝まれると思ったのは早計でし....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
上、羽織の紐をきちんと結んで、――お供を。―― 道は雪で明いが、わざと提灯、お
仏壇の蝋燭を。……亡き父はじめ、恋女房。……」 振袖の声が曇ると、多津吉も面を....