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「仏果〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仏果の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
藪がある。槿の花の咲いている竹籬に沿うて左に曲がると、正面に釈迦堂がある。頼家の仏果円満を願うがために、母|政子の尼が建立したものであると云う。鎌倉の覇業を永久....
春昼」より 著者:泉鏡花
夢になりともお姿をと言う。 真個に、ああいう世に稀な美人ほど、早く結縁いたして仏果を得た験も沢山ございますから。 それを大掴に、恋歌を書き散らして参った。怪....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
そのお方が猟師でおいでなさること、猟師と申しますと、失礼ながら殺生を業となさる、仏果の上から申しますと、あわれ果敢《はか》ない御稼業《ごかぎょう》と申すよりほか....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ぎゆくにも負けずに、即ち光陰を惜しんでの意。「またも遇はむため」は来世にも亦この仏果に逢わんためという意で、やはり力づよいものを持っている。こういうものになると....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
と教えて来たが、思いに勝さる事実の応験。愛慾泥裏の誑惑の男と女がそのままに、登る仏果の安養浄土、恐ろしき法力ではあるなあ。この上は源兵衛に続いてわが身も一しお、....
秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
竹藪がある。槿の花の咲いている竹籬に沿うて左に曲ると、正面に釈迦堂がある。頼家の仏果円満を願うがために母政子の尼が建立したものであるという。鎌倉の覇業を永久に維....
本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
存しているも省略に従うとするが、これにはこの当時の信仰から導かれて、自ら入水して仏果を得ようとした『捨身往生』なるものが、一般に流行したことを参考せねばならぬ。....
法然行伝」より 著者:中里介山
る。法然は、法相、三論、華厳、法華、真言、仏心等の諸宗にわたって、凡夫の初心より仏果の極位《ごくい》に至るまで、修行の方法や、得度《とくど》のすがた等をつぶさに....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
せば、それこれに同情して食を与える事がすなわち所謂|慈悲善根でありまして、未来に仏果を得るの種となるのでありますから、これも一種の報償と言わば言われましょう。仏....
特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
昔は北山に籠って餌取の取り残した死牛馬の肉を喰った餌取法師も、修行の功を積んでは仏果を得たと認められたのである。しかるにその仏徒が次第に貴族的になっては、エタを....
「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
る。餌取を畜生か何ぞの様に忌み嫌うた仏徒の目からも、餌取法師が念仏の功徳によって仏果を得た事を認めておった当世に、人そのものが穢れておって、子孫の末まで足洗が出....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
の目的としている。すなわち自利の行者である。菩薩の如く利他の大行を行じて、結局は仏果を得るものというのとは、大いに選を異にしているのである。そこで低級なる下司法....