仏法僧[語句情報] »
仏法僧
「仏法僧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仏法僧の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
主人だ。鳥居峠の鶫は名高い。鶫ばかりでなく、裏山には駒鳥、山郭公の声がきかれる。
仏法僧も来て鳴く。ここに住むものは、表の部屋に向こうの鳥の声をきき、裏の部屋にこ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
上《ずじょう》で御祈祷鳥が鳴く、御岳山の御祈祷鳥は高野《こうや》の奥に鳴くという
仏法僧。 ふと、霧の御坂の方から人の足音がする。 「竜之助様か」 それは女で....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
る方を載せ、この童子用なき日は、一百金銭を持ち来り、持呪者に与う、しかしその銭は
仏法僧のために用《つか》い却《はた》し、決して吝《おし》んじゃいけないとは、例の....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
の冴を見よ、描く処の錦絵のごとく、黒髪山の山裾に血を流そうとしたのであった。が、
仏法僧のなく音覚束なし、誰に助けらるるともなく、生命生きて、浮世のうらを、古河銅....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
だが、世間には、好んでお医者を担ぎたがる悪趣味者がある。 京都のある方面の、
仏法僧の啼《な》く山奥へ医者を担ぎ込んで、私闘の創《きず》を縫わせた悪徒もある。....
「高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
その濃霧の底から、遙かな下方から、幅広い澄んだ声が聞えてくる。耳を傾けると、
仏法僧の鳴き声である。二三ヶ所から、互に鳴き交している。
仏法僧は夜間に鳴くものと....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
く、馬の背越の彼方側には、一面に濃霧が渦巻いていて、その濃霧の底の遥か下方から、
仏法僧の鳴き声が聞えてくる。二三ヶ所から、互に鳴き交しているのだ。つつましい孤独....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
る。利根川、白砂沢、また、花咲峠から渓水を運んでくる塗川にも渓流魚は豊富である。
仏法僧で名高い迦葉山に源を持つ発知川と池田川は、幽邃そのものだ。 関東平野の北....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
の肩には、利根郡の中央に蟠踞する雪の武尊山が、さむざむとした姿をのぞかせている。
仏法僧で名高い武尊の前山の、迦葉山は、いずれの突起か。 子持と小野子の二つの山....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
林泉は寂として、雲の去来のうえにあった。
「……与仏有因
……与仏有縁
……
仏法僧縁
……常楽我常
……朝念観世音
……暮念観世音
……念々|従心起....
「鬼」より 著者:吉川英治
まではずいぶん山道を歩く。人にも会わない道が何里とあった。主水と出会った山中も、
仏法僧の声しか聞えない樹立の間だった。 兇悪な――上ずった眼でもしているかと想....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
ためでもある。それから裏の方にまわって、夕景に宿坊に帰った。 その夜、奥の院に
仏法僧鳥の啼くのを聴きに行った。夕食を済まし、小さい提灯を借りて今日の午後に往反....