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「仔牛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仔牛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
らないからといって、いっかな放そうとはしなかった。一時間ばかりして、野菜サラダと仔牛の冷肉と、パイと、菓子屋から取った肉饅頭と、それにシャンパンなどで夜食がでた....
雪後」より 著者:梶井基次郎
配達先へ届けると同時に産気づいて、運送屋や家の人が気を揉《も》むうちに、安やすと仔牛は産まれた。親牛は長いこと、夕方まで休息していた。が、姑がそれを見た頃には、....
花のき村と盗人たち」より 著者:新美南吉
んが、下男《げなん》について野《の》あそびに来《き》て、下男《げなん》にせがんで仔牛《こうし》を持《も》たせてもらったのかも知《し》れません。だがおかしいのは、....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
は、これを「愛見の大悲」といっておりますが、ほんとうの慈悲は、盲目的な愛、母牛が仔牛を甜めるような、そんな愛ではないのです。真の智慧によって、裏づけられているほ....
青い眼の人形」より 著者:野口雨情
可哀想で 可哀想で しやうがない 重い車を 曳きながら ぢーつと後《あと》を見た仔牛に 逢ひたくて 後を見るんだよ 可哀想で 可哀想で しやうがない 舌切雀 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 一時《いっとき》、びっくりした茂太郎が、見るとそれはホルスタイン種と覚しい仔牛が一頭、なれなれしくやって来て、その首を茂太郎にこすりつけているのでありまし....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
もない私だった。優しい眼をした黄と白の斑牛《まだらうし》が寝そべっていて、可愛い仔牛《こうし》がいたが、生きた牛の添《そば》にいった事はないし、臆病な私は怖《こ....
虎狩」より 著者:中島敦
顧だに呉《く》れようとしない。私は出来るだけ彼に近づいて、仔細に観察した。確かに仔牛ぐらいはありそうな盛上った背中の肉付。背中は濃く、腹部に向うに従って、うすく....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た話のうちには、そのこともはいっていました。私は自分を猫《ねこ》や犬や小鳥や鶏や仔牛《こうし》であると想像してみました。そういう動物の欲望を自分に感じました。そ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ンチョンを箱から引き離した。その拍子に箱の蓋が取れた。と、見よ! 箱の内部には、仔牛ほどもある猩々が、堅く鉄鎖で縛られながら、気絶したまま倒れている面紗の婦人の....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
というのは、松阪で生れた牛ではないのである。生れは兵庫県キノサキ、つまり神戸牛の仔牛。これを和歌山で二三歳まで育て、最後に松阪へつれてきて三月から半年かけて育成....
かもじの美術家」より 著者:神西清
たのは、見たこともない場所で、広々と明るい小屋のなかでした。……おまけにそこには仔牛がいるのです……なん匹もなん匹も、十匹あまりもいるのです。――それがみんな可....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
大股にあるき出した。小坂部はもうそれに抗う気力はなかった。かれは牛飼いに牽かるる仔牛のように、素直に男のあとに付いてゆくと、彼は五、六町ほども細径をたどって、城....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
ごろごろしているんだ。……いやその不潔なこと、臭いこと、煙たいこと。ゆかべたには仔牛が、病人と同居しているし……仔豚までそのへんを、うろうろしている始末なのさ。....
由布院行」より 著者:中谷宇吉郎
になってやっと愕《おどろ》いて逃げ出す。時には、道の反対側で草を喰《く》っていた仔牛《こうし》まで、親の逃げる方へ飛び出して轢《ひ》かれそうになる。運転手は慌《....