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仔馬
「仔馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仔馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
父さんの怪我は?」 「馬から落ちたの。お父さんは馬マニヤなの。いい種馬にかけて、
仔馬から育てて競馬に出そうというんだけれど、一度も成功したことないわ。何しろ子供....
「足迹」より 著者:徳田秋声
くれたことせえなかった。田地もあったが、種馬を何十匹となく飼っておいて、それから
仔馬を取って、馬市へも出せば伯楽が買いにも来る――。」と、母親は重い口で、大構え....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
へみやげ物の南瓜、真桑瓜、玉蜀黍、甘藍なぞを駄馬に積み、其上に打乗って先発する。
仔馬がヒョコ/\ついて行く。又一君も馬匹を見がてら阪の上まで送って来た。
阪を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、木茅《きかや》に心を置く落人《おちうど》のつもりでいるのか、それとも道草を食う
仔馬《こうま》の了見でいるのか、居候から居候へと転々して行く道でありながら、こし....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
のである。ナプキンを顎の下へ押し込んでナイフで給仕人を指揮する癖があった。夫人は
仔馬のように若く、ヴィテルボの陶器のようにこわれやすく、そして二人はいつも、たっ....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
り、彌吾吉は馬匹の群を一見して馬匹中に異動あり、或は不足なりとて、尚調査するに、
仔馬一頭は熊害にて臀部に裂傷あるを見たり。尚|瑞※北宝は無事に群中にありて大に安....
「晩夏」より 著者:堀辰雄
った草を積んだ馬が、その道をとぼとぼと登って往った。その馬の傍には、かわいらしい
仔馬が一匹ついていく。ときどき親馬に体をすりつけたり、足でじゃれついたりしていた....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
先生は、腕っ節のつええばかりが能《のう》じゃアねえんだ。学問ならおめえ、孔子でも
仔馬でも、ちゃアんとあの腹ん中にしまってるんだから、ヘッ、豪勢なもんヨなあ」
「....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
せて、小麦色の肌をして、すらりと長い手足をもてあましているようすから、なんとなく
仔馬を思わせます。きりっとした口もと、おどけた鼻、きつい灰色の目をもつ顔は、とき....
「博物誌」より 著者:岸田国士
は、弾機仕掛けのような飛び方をして逃げて行く。七面鳥は生垣のなかに隠れ、初々しい
仔馬は槲の木蔭に身を寄せる。 しかし、豚は食いかけたもののある所を動かない。 ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
れ近く町を行く人の息が白いころ、朝極く早く祖母は私と店の格子のところに立って町を
仔馬や親馬を沢山連れて馬喰らしい人たちが通るのを見たことがある。 「くひの市に行....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
たらないかもしれない。若松屋惣七は、蜘蛛のように陰険ではないのだ。人物は、むしろ
仔馬《こうま》のようにほがらかなのだ。ただ剃刀《かみそり》みたいに切れる。金のこ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
の、お美津がいまのいま掃除した地面の上へ大きな足あとをつけて馬の方へ歩みよった。
仔馬のうちから自分の子供のようにして育て上げた鹿毛の奴が、ふうっと鼻息を一つ彼へ....
「こんにゃく売り」より 著者:徳永直
るが、気がつくと、お勝手口の入口へ、大きな犬がねているのであった。黒白|斑らの、
仔馬ほどもあるのが、地べたへなげだした二本の前脚に大きな頭をのっつけ、ながい舌を....
「女房ども」より 著者:神西清
とめようとすると、今度は手綱を引掴んでぴしぴし打ちだすのです。打ちながら、まるで
仔馬のようにひんひん言っているのです。」 「どうせ手綱でやるんなら、お前さんをや....