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「仕出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仕出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
が思い出したように障子にぶつかって、釘店《くぎだな》の狭い通りを、河岸《かし》で仕出しをした若い者が、大きな掛け声でがらがらと車をひきながら通るのが聞こえ出した....
放浪」より 著者:織田作之助
そう云って継母はにがにがし気であった。その日から衰弱はげしく、大阪生玉前町の料理仕出し屋丸亀に嫁いでいる妹のおみよがかけつけると、一瞬正気になり、間もなく康太郎....
家霊」より 著者:岡本かの子
よ」 老人は見栄も外聞もない悦び方で、コールテンの足袋の裏を弾ね上げて受取り、仕出しの岡持《おかもち》を借りて大事に中へ入れると、潜り戸を開けて盗人のように姿....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
介によると、麹町の平河天神前に笹川という魚屋《さかなや》がある。魚屋といっても、仕出し屋を兼ねている相当の店で、若い男はその伜の鶴吉というのである。親父の源兵衛....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と思いましたから、女房のお徳をだんだんに詮議すると、案のじょう、近所の川春という仕出し屋の手でどこへか持ち込むことが判りました。川春はなかなか大きい店で、旗本屋....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ぜ」 若い岡っ引が草履をぬいで内へあがると、文字春は小女に耳打ちをして、近所の仕出し屋へ走らせた。 「ところで、師匠。早速だが、少しおめえに訊きてえことがある....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うことで、なかなか贅沢に暮らしているらしい。旦那が来た時には、いつでも三種四種の仕出しを取る。そのあいだにも毎日なにかの魚を買うが、三月の末頃からは生魚の買物が....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
の邪魔をするのだ」 そう思うのも実際だ。僕が来てからの様子を見ていても、料理の仕出しと言ってもそうあるようには見えないし、あがるお客はなおさら少い。たよりとし....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
いた様でしたが、二日目にはとうとう外出して調べ始めました。そして夕方に帰って来て仕出しの料理で晩飯を終えると、早速吉岡ともう一人の調査員を捕えて、こんな事を言っ....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
君は活きらるるか。稲は活きても人は餓える、水は湧いても人は渇える。……無法な事を仕出して、諸君が萩原夫婦を追うて、鐘を撞く約束を怠って、万一、地が泥海になったら....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
る。 みな立つ湯気につつまれて、布子も浴衣の色に見えた。 人の出入り一盛り。仕出しの提灯二つ三つ。紅いは、おでん、白いは、蕎麦。横路地を衝と出て、やや門とざ....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
様にも自慢をするようになりましたでしょう。 三年と五年の中にはめきめきと身上を仕出しまして、家は建て増します、座敷は拵えます、通庭の両方には入込でお客が一杯と....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
じのよさそうな感じのする人であつた。 それより以前に松竹が研究生たちを歌舞伎の仕出しに使つたことがあつた。伊藤や淵君ももちろん使われた仲間であるが、ある時歌舞....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
至極。差当りこの家などは宿屋など致さずして、遊女|数多召抱えるか、さもなくば料理仕出しの他に酌人ども大勢置いて、大浮かれに人の心を浮かした方が好かりそうなもの」....
六日月」より 著者:岩本素白
此の辺りは下河原町になって居るのである。煙草屋、荒物屋など暗い寂しい店に交って、仕出し屋、料理屋なども有る様子で、入口は狭いが普通の宿屋とは違った、奥深そうな洒....