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仕切り
「仕切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
メルほど照りを持つ頬から中高の鼻が彫刻のようにはっきり見えた。 老妓は船の中の
仕切りに腰かけていて、帯の間から煙草入れとライターを取出しかけながら 「いい景色....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は風に帆を張るすべを知れど 行方は何處とさだかには知り難し。 農夫は心して土地の
仕切り定めぬ、 さなくば光や空気と同じく持主は定め難からん。 今はこの土も鋤鍬の....
「食魔」より 著者:岡本かの子
、年老いてることでもあり葬儀万端|然るべくという返事なので鼈四郎は、主に立って取
仕切り野辺の煙りにしたことであった。 その遺骨を携えて鼈四郎は東京に出て来た。....
「河明り」より 著者:岡本かの子
家の中へ向って伸び上り、「お嬢さーん」と大きな声で呼んだ。 九曜星の紋のある中
仕切りの暖簾を分けて、袂を口角に当てて、出て来た娘を私はあまりの美しさにまじまじ....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
ぱなしになっているのだ。その横の方が、戸のようにあく、そこから中へはいれる。その
仕切りの中の奥に台がある。その上に例の受信機は据えられた。送信機の方は、もっとあ....
「金属人間」より 著者:海野十三
ていて、なんだかクラゲのような形をしていた。 さてそのつぎの「骸骨の四」という
仕切りの中を、針目博士が開いて、おどろきの目をみはったのだ。その箱の中には、かん....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
、どうしていられるのかしら」 三郎は、急に艇長のことが心配になったものだから、
仕切りの扉のところへいって、そのうえをどんどんと叩いた。 「艇長、どうしておられ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
あがった。なお軍曹は毛布とシーツとを集めて出入口の扉よりすこし中へ入ったところに
仕切りの幕をつくった。間違って出入口が開いても、毒瓦斯はこの幕で一時食いとめられ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
くなった。だいたい壁炉というものは、必要のない期間だけ、下の火炉と煙突との間を、
仕切りで塞いでおくのだ。ところが、それを焼き捨てた人物は、煙が家の中に、立ち罩め....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
結の法に、も一つの方法がある。突着け綴附というので、表紙の平(ヒラ)と背との間の
仕切り押のないもの、背からすぐ平へ移行する方式、表紙をミミの根までつき込んで連絡....
「唇草」より 著者:岡本かの子
しい柔かいものが触た。彼女は、「きゃっ!」といって莢を抛り出した。 中の間との
仕切りの襖が開いて、縞のブラウズを着た千代重が悠然と出て来た。手にはゴムの洗濯手....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
ある。庭に汐錆び松数本。その根方に網や魚籠が散らかっている。庭の上手の方にほんの
仕切りしただけの垣があり、枯れ秋草がしどろもどろに乱れている。小さい朽木門を出た....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
こでも面白く感ずるのには、種々な原因がある。一つ一つ絵に見えるのには条件がある。
仕切りのあるということ、速く走ること、遠くを見ることで、汽車が停まっていてはあま....
「城」より 著者:カフカフランツ
みの溜息をもらす声が聞こえてきた。おかみは、薄い板壁で台所と隔てられた、窓のない
仕切り部屋に横になっていた。そこには、大きなダブルベッドと戸棚一つとを置くだけの....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
絶命の呻きです。私の身体はぶるぶると慄えました。ここまで苦しんだなら、いくら厚い
仕切りでも消える筈だ。私の心はくるりと全体の向きを変えました。二人をこの上とも苦....