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仕合せ
「仕合せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕合せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
《わだりょうへい》にだったんだ。」
「しかしまあ哲学通りに、飛び下りなかっただけ
仕合せだったよ。」
無口な野口も冗談をいった。しかし藤井は相不変《あいかわらず....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
しら》が微塵に砕けて、都大路《みやこおおじ》に血をあやさなんだのが、時にとっての
仕合せと云わずばなるまい。」と、さも横柄《おうへい》に申しました。
するとその....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
楽を金《かね》ずくで聞かせるのも悪趣味だよ。」
グラノフォンはちょうどこの時に
仕合せとぱったり音を絶《た》ってしまった。が、たちまち鳥打帽《とりうちぼう》をか....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ふと考えられた。
「それがまあこうしていられるんだから、御互様《おたがいさま》に
仕合せでさあ。――だがね、牧野さん。お蓮さんに丸髷が似合うようになると、もう一度....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
》の間《あいだ》に如来の金身《こんじん》に近づかずにすんだ。それだけはせめてもの
仕合せである。けれども尼提はこう思った時、また如来の向うから歩いて来るのに喫驚《....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
びの輝いたのはこの時である。
「さようでございますか? そうして頂ければ何よりの
仕合せでございます。」
神父は優しい感動を感じた。やはりその一瞬間、能面《のう....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
与えた。それから「どうじゃ、痛むか?」と尋ねた。すると一人は「難有《ありがた》い
仕合せ、幸い傷は痛みませぬ」と答えた。が、三右衛門は苦《にが》にがしそうに、「か....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
くれた。ありとあらゆる空の鳥は、愚《おろか》な彼を哂うのではなく、反《かえ》って
仕合せな彼を羨《うらや》んだり妬《そね》んだりしているのであった。――そう彼は信....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
足らぬわたしは尊徳の意気に感激すると同時に、尊徳ほど貧家に生まれなかったことを不
仕合せの一つにさえ考えていた。……
けれどもこの立志譚は尊徳に名誉を与える代り....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
顔を見ると、悲しそうに首を振りながら、あなたには何もおわかりにならない、あなたは
仕合せな方《かた》ですと云うた。ああ云う返答は、怒られるよりも難儀じゃ。おれは、....
「運」より 著者:芥川竜之介
ない何ものかを、感じてでもいるような容子《ようす》である。
「とにかく、その女は
仕合せ者だよ。」
「御冗談で。」
「まったくさ。お爺さんも、そう思うだろう。」
....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
すかな声が伝わって来ました。 「心配をおしでない。私たちはどうなっても、お前さえ
仕合せになれるのなら、それより結構なことはないのだからね。大王が何と仰っても、言....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
だ。こんな慌しい書き方をした文章でも、江口を正当に価値づける一助になれば、望外の
仕合せだと思っている。....
「寡婦」より 著者:秋田滋
のがよく解ってないんですね。僕にはそう思えます。従姉さんに僕が解ったら、僕たちは
仕合せになれるんだがなア。解るためには愛することが必要です」 私は笑って、この....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
しい児なので、みんな驚いてしまいました。そして、 「太郎右衛門さんとこあ、なんて
仕合せだんべい。」 と口々に言いはやしながら帰りました。 これまで太郎右衛門の....