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「仕懸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仕懸の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻影の盾」より 著者:夏目漱石
種類でもない。上部に鉄の格子《こうし》を穿《あ》けて中央の孔から鉄砲を打つと云う仕懸《しかけ》の後世のものでは無論ない。いずれの時、何者が錬《きた》えた盾かは盾....
明暗」より 著者:夏目漱石
り》とが、どれが原因ともどれが結果とも分らないような迅速の度合で、津田の頭の中を仕懸花火《しかけはなび》のようにくるくると廻転した。彼は白い食卓布《テーブルクロ....
鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
働いて、相手に変化を計られまいとする。二尺余りを距てて睨合っているが、槍の方から仕懸けて行くらしく時々気合と共に穂先が働く。それにつれて刀も動く。と、閃めいた穂....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
時《しばらく》思の道を絶ッてまじまじとしていてみるが、それではどうも大切な用事を仕懸けて罷《や》めたようで心が落居《おちい》ず、狼狽《うろたえ》てまたお勢の事に....
十二支考」より 著者:南方熊楠
で来って、その履を穿く。豈《あに》図らんや人は猴よりもまた一層の猴智恵あり、機械仕懸けで動きの取れぬよう作った履故、猴一たび穿きて脱ぐ能わずとある。日本でも熊野....
風流仏」より 著者:幸田露伴
判を枷に約束を堅めけると、或書に見えしが、是も烏賊の墨で文字書き、亀の尿を印肉に仕懸るなど巧み出すより廃れて、当時は手早く女は男の公債証書を吾名にして取り置、男....
獏鸚」より 著者:海野十三
れていたとしたらどうなったであろうか。江戸昌はひどいことをする。 「この大爆発を仕懸けて、江戸昌はどうするつもりだったろう」と私は帆村に訊ねた。 「これが江戸昌....
露肆」より 著者:泉鏡花
子の数には漏れず、格子から降るという長い煙草に縁のある、煙草の脂留、新発明|螺旋仕懸ニッケル製の、巻莨の吸口を売る、気軽な人物。 自から称して技師と云う。 ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
がら、おや、可訝いな。」 「お縁側が昔のままでございますから、旧は好事でこんなに仕懸けました。鶯張と申すのでございますよ。」 小間使が老実立っていうのを聞いて....
註文帳」より 著者:泉鏡花
来るだけ仕事をさせろ。愚図々々|吐すと、処々に伏勢は配ったり、朝鮮伝来の地雷火が仕懸けてあるから、合図の煙管を払くが最後、芳原は空へ飛ぶぜ、と威勢の好い懸合だか....
活人形」より 著者:泉鏡花
肩をすぼむれば這入らるべき透間あり。そこに居て壁を押せば、縦三尺幅四尺向うへ開く仕懸にて、すべての機械は人形に、隠るる仕方巧みにして、戸になる壁の継目など、肉眼....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、こちらには、堂々と理由のあること。彼らのうらみは逆恨みじゃ。それを、事を構えて仕懸けて参れば――」 「と、いっても、まだその体では心もとのうござりまする」 「....
三国志」より 著者:吉川英治
使者は、追いついて、告げた。 「王命です。――戦場に着いても、かならず軽々しく仕懸るな、敵を浅く見るな。敵将関羽は、智勇兼備の聞えある者。くれぐれも大事をとっ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の隘地では活かしようがない。ときには、大軍なるがゆえの不利さえ多い。――これまで仕懸けた数度の総攻撃にみても、寄手の死傷は城兵の比でなかった。例による太平記調で....