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仕掛花火
「仕掛花火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕掛花火の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
火は昔から伝統のあるものらしく、水花火というものもあって、それは大社の池の真中で
仕掛花火を行い、その花火が池面に映り、花火がもくもく池の底から涌《わ》いて出るよ....
「大阪万華鏡」より 著者:吉行エイスケ
もなく、カバーをかけたタクシーが夜間薬品店のまえでとまると、なかから、林田三郎が
仕掛花火のように商館にかけこんだ。磨かれた車窓に、西紅葉の横顔がスプリングのつい....
「家」より 著者:島崎藤村
う声が、そこにも、ここにも起った。知らない男や女は幾群となく皆なの側を通過ぎた。
仕掛花火も終った頃、三吉は正太と連立って、もう一遍橋の畔まで出て見た。提灯や万燈....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
魁をなし、昔は玉屋鍵屋が承って五月二十八日より上流下流に大伝馬をもやいて大花火、
仕掛花火を打揚げる。江戸ッ児の魂を有頂天にして、足元の小石にも跪かしむるはこの時....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ト少将は、吐きだすようにいって、展望窓のところへ歩いていった。そこからは、まるで
仕掛花火がはじまっているような海上の騒が見えた。幾十条の探照灯が、網の目のように....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
街のある宝石商の前へ立ってその飾窓を眺めていた時、火山が爆発をはじめた。ちょうど
仕掛花火の如く空へ火焔が吹き上がりシダレ柳が落ちて来た。その花火の中に月が美しく....
「倫敦の一夜」より 著者:岡本綺堂
の下の空地で花火が打揚げられるのであるが、とてもその傍へは寄付けないので、どんな
仕掛花火かよくは判らない。ただ時々に高く飛びあがる紅や青や紫の星の光がみだれて流....
「鱗粉」より 著者:蘭郁二郎
て、金色の火の子が、パッと花火のように散った。火勢はいよいよ猛烈だった。 その
仕掛花火よりも見事な、すさまじい火焔の中に、あの数人の全裸体の美少女が、右往左往....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ってみて、更に深い感慨に耽るのである。 さて元へ戻るにしても、母の膝にあがって
仕掛花火に火のつく度ごとに手を拍ってよろこんだ元の桟敷へは戻れない。深々と幌をか....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
うじょうひ》のような唐紅《からくれない》に彩られそめたとおもったら、向こう河岸で
仕掛花火の眉間尺《みけんじゃく》がクルクルクルクル廻りだしていた(下略)。 文....
「円朝花火」より 著者:正岡容
お絲も猩々緋《しょうじょうひ》のような唐紅に彩られそめたと思ったら、向こう河岸で
仕掛花火の眉間尺《みけんじゃく》が、くるくる廻り出していた。 ……以上を我が断....