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仕損じる
「仕損じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕損じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
置けば遣り損じた所で其の人が働きを失って追っ掛けて来る事が出来ません、其れだから
仕損じる恐れの有る場合に、此の様な毒を塗って置くのです、之は臆病の刺客の秘伝だと....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
いや長い間の気の縺れに今は精神が疲労しきっている。今すぐ、あの戸を叩いては、また
仕損じることがあってはいけない。あの家の中に女が潜んでいると知ったら安心である。....
「或る精神異常者」より 著者:田中早苗
に精確な算数によるものであって、精神集中作用が完全にいっているかぎり、万が一にも
仕損じる気づかいはないと断言したそうだ。 しかしかりにも人間の生命が精神集中ひ....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
安らしい溜息をついた。 「今もいう通り、組内でもいろいろの噂をしているので、もし
仕損じるようなことがあったら、人に顔向けも出来ないので……。」 尾白の鷲は上総....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
てやりたいようにも思ったが、彼はもう四十を越している。多年の経験上|急いては事を
仕損じるの実例をもたくさんに知っているので、しばらく黙って奥野の報告を聴いている....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
何れの手でかによって、お仕遂げに相成りましょう以上、呪殺申すよりは、証拠も残り、
仕損じることもあり――もし、それが、発覚する上に於ては、御家の大事、その騒乱は、....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
それだって、その棒手振がなにをどう感違いしたのかわかったもんじゃねえ。あわてると
仕損じる。まアまア手がたくゆくこッた」 と言いながら、帷子《かたびら》の襟をし....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
しまう。何のことはない、向う見ずの馬車馬だ。盲滅法と云う奴だ。それでは必ずことを
仕損じるよ。物事はまずはっきりと条理を立ててから…… 文麻呂 よけいなお世話だ!....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
なるのがこの道の人情とやら、ことにはなにしろきの字のこと、まあ急《せ》いては事を
仕損じる。気永に待って取締《とっち》めようと、それからというもの、久兵衛は毎晩お....
「三国志」より 著者:吉川英治
懸るな、敵を浅く見るな。敵将関羽は、智勇兼備の聞えある者。くれぐれも大事をとって
仕損じるなかれ――とのおことばでありまする」 「かしこまって候う」 謹んで答え....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
食ったわ。六郎左とやら、源中納言の介錯は、身に過ぎるぞ。ありがたいと思うてせよ。
仕損じるな」 彼が、身を正そうとするのも待たず、六郎左の太刀は、そのとき、一震....
「自来也の話」より 著者:岡本綺堂
した。 「おれは今まで自分の裁判にあやまちは無いと信じていたが、今度ばかりは危く
仕損じるところであった。我来也は外にいる。この獄屋につないであるのは全く人違いだ....