仕様[語句情報] »
仕様
「仕様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
、こう聞えるのである。
「何をすねてるんだってことよ。そう泣いてばかりいちゃあ、
仕様ねえわさ。なに、お前さんは紀の国屋の奴さんとわけがある……冗談云っちゃいけね....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
た。また恐怖に挫《ひし》がれないためには、出来るだけ陽気に振舞《ふるま》うほか、
仕様のない事も事実だった。
「べらぼうに撃ちやがるな。」
堀尾一等卒は空を見上....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
《み》をその繊細な茎の先きに結んで美しい狐色に変った。
「こんなに亜麻をつけては
仕様《しよう》がねえでねえか。畑が枯れて跡地には何んだって出来はしねえぞ。困るな....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
は呆れた顔で呵々と笑って、 「相応に気が利かないのに、早飲込だからこんがらがって
仕様がない。め組もまた、さんざ油を売った癖に、急にそわそわせずともだ。まあ、待て....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ながら当時、世界を敵とした貧乏国フランスには、とてもそんな金がありません。何とも
仕様がない。国の滅亡に直面して、革命の意気に燃えたフランスは、とうとう民衆の反対....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
うに、夜通しのこの会さえ、何だか心ないような気がして、私なんぞは鬱いでいるんだ。
仕様もあろうのに、その病人を材料にして、約束の生命を「とりあげ」に来たが、一目弟....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、さしったりで、杖を小脇に引抱き、 「学校へ通うのに足場が悪くって、道が遠くって
仕様がないから留めたんだ。」 「朝寝さっしゃるせいだっぺい。」 仁右衛門が重い....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
だよ。」 「まあ、あんなにあんた、こがれなさった癖に。」 「そりゃ、張って張って
仕様がないから、目にちらつくほど待ったがね、いざ……となると初産です、灸の皮切も....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
り髪も濃くないもんだから、自分でも束ねていたいと思うがね、旦那が不可ッて言うから
仕様がないのよ。」 「だからやっぱり奥様じゃあないか。」 と少年は平気なり。お....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
樹があって、往来へ枝がさして茂ってたのが、あすこの窓へ届いたので、内が暗くって、
仕様がない。貢の内へ掛合って、伐らしてしまうと言った時分に、私は何も知らないけれ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
たことはございませんのに、何でしょうね、馴れませんこッてすから、胸がどきどきして
仕様がありません。」 島野は澄まして冷かに、 「そうですか。」 「貴下御存じじ....
「狂女」より 著者:秋田滋
いた。 「ひとりで着物も著られない、歩くことも出けんと云うなら、わし等のほうにも
仕様があるんじゃ」 やがて、一行はイモオヴィルの森のほうを指して次第に遠ざかっ....
「初雪」より 著者:秋田滋
っちゃアいけないよ。住めば都さ。見ていてごらん、お前にもここが好くって好くって、
仕様がなくなっちまうから――。だって、この僕が永年ここで暮していて、ついぞ退屈し....
「活人形」より 著者:泉鏡花
せて、はたと僵れて正体無し。 得三は、といきを吐きて高田に向い、「御覧の通りで
仕様がありません。式作法には無いことだが、お藤の手足をふん縛って、そうして貴下に....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
好いのか、出さなければ悪いのか、一寸は迷って仕舞って、綸に手をかけて見たものの、
仕様無かったと、言ってました。』 漁『水押の上では、随分、気を揉んだろう。見てや....