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仕種
「仕種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕種の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
思っているのに、何んという千鶴子の気軽さだろうかと、彼女の喜びつつ手を胸に上げる
仕種を矢代は眺め、ふと恨めしく思うのだった。しかし、それもすぐ彼は追い払うことが....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
こった。下士官はピストルをがらりと投げすてると、首のところへ手をもってゆくような
仕種をしたが、そのときはもう甲板の上に、仰向けになって倒れ、呼吸がたえていた。 ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
て、行こうじゃねえかね。」 「賛成。」 と見物の頬被りは、反を打って大に笑う。
仕種を待構えていた、饂飩屋小僧は、これから、割前の相談でもありそうな処を、もどか....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
。花やかともいえよう、ものに激した挙動の、このしっとりした女房の人柄に似ない捷い
仕種の思掛けなさを、辻町は怪しまず、さもありそうな事と思ったのは、お京の娘だから....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
らはらと膝に落とした。 「お母さん!」と啓介は叫んだ。 皆黙っていた。どうにも
仕種がなかった。河村は氷嚢吊りの台木に片手でつかまっていたが、ひょいと立ち上って....
「囚われ人」より 著者:豊島与志雄
ちは、後ろから髪の毛でも引っ張られるかのように、時々、手を挙げて後頭部を打ち払う
仕種をし、振り向きもする。 酒太郎――誰だ、俺の髪の毛を引っ張るのは。 煙....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
もなく歩き始めた。秘書の秋田は大月の思索を邪魔しないつもりか、それとももうそんな
仕種に飽きて了ったのか、証人の男を捕えて丘の周囲の景色を見ながら、その素晴しい見....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
子のくもりを太短い親指の先でこすって、はれぼったい瞼をちょっと動かす、――そんな
仕種まで想像される、――一口に言えば爺むさい掛け方、いいえ、そんな言い方では言い....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
と、わたしはひそかに期待していたが、その期待はすっかり裏切られて、団十郎の台詞も
仕種も今までわたしが鳥熊の芝居や鈍帳芝居で見馴れている善六とちっとも変わらなかっ....
「米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
うに遣っていたのは巧いものです。首実検の時に手を顫わせながら、懐紙を口にくわえる
仕種などをひどく細かく見せて、団十郎式に刀をぬきました。ここでも首は見せません。....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
ります。仕事を見ていますと、その手技の早いのには驚かされます。竹を縦に細かく裂く
仕種、裂いた竹を拡げて糸で編む手捌、凡ては目にも止まらぬほどの早業で、手がどんな....