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他人行儀
「他人行儀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
他人行儀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
か。」
「まだ始りませんの。来月の五日からですって。」
俊助は次第に二人の間の
他人行儀《たにんぎょうぎ》が、氷のように溶けて来るのを感じた。と、広告屋の真紅《....
「或る女」より 著者:有島武郎
るんだかおっしゃってくださいまし、ね、さ。なんでしょうねえ。伺いたい事ね。そんな
他人行儀は……あ、あ、痛い、おゝ痛い……ちょっとここのところを押えてくださいまし....
「或る女」より 著者:有島武郎
「会いたてからつけつけいうのもなんだけれども、なんですねえそのおじぎのしかたは、
他人行儀らしい。もっと打ち解けてくれたっていいじゃないの」
というと愛子は当惑....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
うことを抱《だ》いていながら、それを押し隠して美しく附き合っている、それがすでに
他人行儀ではあるまいか。たがいの思うことを遠慮なく言い合って、泣いたり笑ったりし....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
分りました。先刻窓から私を見て急に姿を隠したのは浦原さん、貴女でしたネ」と極めて
他人行儀に恭々しく云うた、お浦「爾です、彼処に居る事を知らさずに不意に来た方が貴....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
たがいに顔をみれば挨拶するくらいのことで、同じ師匠の格子をくゞりながらも、ほんの
他人行儀に附き合っていたのですから、先方ではもう忘れているかも知れないくらいです....
「嵐」より 著者:島崎藤村
あさんは気が短かかったからね。」 それを私は子供らに言い聞かせた。あまり三郎が
他人行儀なのを見ると、時には私は思い切り打ち懲らそうと考えたこともあった。ところ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
するといきなり扉が内側にぽかりと開いて、 「なんだ、貴様か。いつもに似ず、いやに
他人行儀の挨拶をやったりするもんだから、どうしたのかと思った。おう、早く入れ」 ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
わ。あたし先生ていうの大好きなのよ。いいえ、あなたがお叱りになるように、けっして
他人行儀には響かないの。それはそれはいい響きなのよ。先生ていうと、あたしは自分の....
「敬語論」より 著者:坂口安吾
が、例がフランスの「お前よび」にある通り必ずしも男尊ではなく親密の表現でもあり、
他人行儀と云って他人のうちはテイネイなものだが、友達も親密になると言葉がゾンザイ....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
服装ながら、いかにも清楚な感じのする人だった。只、意外なのは、夫婦の間が何となく
他人行儀で、よそよそしい事だった。博士は私に対しては、努めていろいろの話をされる....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
店員にお辞儀をせよということは言わない。それはちっとも苦にもしなければ、いちいち
他人行儀に「お早うございます」でもない。と思ったので、ある時新しいコックが、 「....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
れない。従って二人の苦しい心持の、解け消える機会はないのであった。 「澄江殿」と
他人行儀の、冷い口調で主水は云った。 「長の月日お父上の敵、陣十郎めを討とう討と....
「接吻」より 著者:神西清
ものだろう)。「じつに喜ばしいことですわい! お帰りにも、どうか立寄って下さい!
他人行儀は抜きにしてな! おや、どこへ行かれるな? 上の道を行くおつもりかな? ....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
か一切こういうことはやめにして……それでないと、親類付合いに願うはずのがかえって
他人行儀になるから……そう、親類付合いと言や」とお光を顧みて、「お前、お仙ちゃん....