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他出
「他出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
他出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
たちま》ち、改易《かいえき》になってしまう。――
「そこでじゃ。今後は必ずとも、
他出無用に致すように、別して、出仕登城の儀は、その方より、堅くさし止むるがよい。....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
わした若い者の答えによると、金助は一度帰宅したが、その足でただちにまたいずれかへ
他出したということでありました。だから、普通の者ならば、少しうろたえて
他出先とか....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
してと存じましたなれど、あいにくきょうは、お長屋のかたがたみなご非番で、どこぞに
他出なされて、どなたもおいでがござりませなんだゆえ、どういたしましょうと考えまど....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
でも?」 「少しばかり。そなたがお秋どのか」 「さようでござります。父はちょっと
他出いたしましてただいま不在にござりまするが、御用でござりましたら、この秋が代わ....
「赤外線男」より 著者:海野十三
ネ」と帆村は腹立たしそうに云った。 「私ども始めはお止めしたのです。しかし閣下は
他出される約束があって、その日の三時にはご覧になれないのです。それで強いてという....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
い出ずに戻って来た。 蔵はいろは四十八蔵あり、三四里の間にわが土地を踏まずには
他出できなかったという。天保銭は置き剰って縄に繋いで棟々の床下に埋めた。こういう....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
るとは……」 と、治明博士は、問いかえした。 「今、ロザレの霊魂《れいこん》は
他出している。されば後、ロザレの遺骸に汝の子の隆夫のたましいを住まわせるがよい」....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
致すことなりませぬとな」 「諏訪家の掟にござります」 「しかるに毎夜その掟を破り
他出する者がござるとのこと、何んと不都合ではござらぬかな」 「いやいや決してさよ....
「切捨御免」より 著者:坂口安吾
かけられて然るべき合理性があった。金の出所とか、松井名刺の行方とか、二月十日から
他出したことゝか、それに明確な解答が与えられざる限り、容疑をかけられるのは自然で....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
が酔い痴れていたからである。 新十郎はふッつり人と往来をたち、日ごとに人知れず
他出した。そのようなときに、彼は何事も語らないから、
他出の目的は分らないが、彼が....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
り不申、失礼致候。其後御書面にも預候所、平臥中|故御無音申候。此節少々快方候、併
他出致し兼候まゝ御無礼|仕候。此えり麁物ながら呈上(○蘭の絵ハ御苑ニアル分ヲ写さ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
大洩らさず綿密に認められたのを驚嘆せずにはいられない。毎日の天候気温、出入客来、
他出等、尋常日記に載すべき事項のほかに、祭事、仏事、音物、到来品、買物、近親交友....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
、と答えるのであったが、その明日になると姿が見えなかった。朝っぱらから用があって
他出したのだという。何日頃来てくれるかと念を押すと、雪がなくなったら二三日つづけ....
「妖怪談」より 著者:井上円了
ありますから、余もこれを実見してみたいと思いましたが、なにぶんにもウエド氏は今、
他出前のことでありましたから、やむなく退出しました。この実験を見るには、少なくと....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
就き、翌朝、例により小鳥の食物など相与え、昨夜の夢など思い出し、笑いながらも食後
他出し、談話のついで前夜の夢を語り、一場の笑いを博し、午後三時ごろ帰宅すれば、な....