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「他力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

他力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
の場所との差違があるのみである。自力によって既成の中に自己を主張せんとしたのが、他力によって既成のほかに同じことをなさんとしたまでである。そうしてこの第二の経験....
新生」より 著者:島崎藤村
心に象《かたち》を取るまで、あせらずに待つより外に仕方がないと思います。旅は僕を他力宗の信者にしました。僕はお念仏を唱えて、日々進んで行って見ようと思います。僕....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
身の殉教は数にも入らぬ。妾はお前達に礼を云う。妾を撲るお前達の鞭こそ、涅槃に導く他力だとな! 妾はお前達に礼を云う。妾を燻べた松火の火こそ、真如へ導く導火だとな....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
も。 親鸞 たとい十悪五逆の罪人でも。 良寛 御慈悲に二つはございませぬ。 慈円他力の信心と申して、お師匠様のお開きなされた救いの道でございます。 左衛門 (ま....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
で雪ふる夜の山道を百日も日参したほどの親鸞なればこそ、法然聖人に遇ったとき即座に他力の信念が腹に入ったのである。そのとき赦されのありがたさがいかにしみじみと感ぜ....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
遠くした。私は禅の本にふれてみた。菩提寺の和尚に話をきいた。大乗か小乗か、自力か他力か、私はこの岐路で相当考えなおしはじめた。心の平和は失われていた。しかし私の....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
だが、自ら坊主退治に戦うべき本分を忘れて、人が火事退治をしてくれるべきものという他力本願に依存しているから、日本の美学者だの歴史家などというものは、口に文化の美....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
開けてゆくものを道という、裸の生活という。それが親鸞の信仰、そういう無条件の絶対他力の信仰であります。 みなさんが私のこういう話を聴いてくださるのは、仏教に対....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
気に駈られるものであった。ある日私は自分へ云った。 「基督を求めるには及ばない。他力本願は卑怯者の手段だ。自分のことは自分でするがいい」 で私はすることにした....
次郎物語」より 著者:下村湖人
ちの上でもぴったりしない言葉であった。その点からいって、かれは、おそらく、親鸞の他力信心をそのまま素直に受けいれていたとは言えなかったであろう。しかし、それにも....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
平等社会位では人間の理想共同体として満足出来なくなるのだ。どんな悪をもゆるす絶対他力の救いを求めるようになるのだ。他人の愛を受け、善に遇うたものは幸いなるかな。....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
無い、他人様のおなさけで、インフレ景気に有頂天になっている東宝には、その内部から他力本願の虚を衝いて、赤化を夢みる幻影が、スクリーンに映されんとしている。しかし....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
ものも落涙) 蓮如『時は末法、機は浅劣。聖道永く閉じ果てて、救いの術はただ信心。他力易行と教えて来たが、思いに勝さる事実の応験。愛慾泥裏の誑惑の男と女がそのまま....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
度はなかなか面白く眼に映る世の中。 誰かの句に、 身を捨ててまた身を掬ふ貝杓子他力信仰(他力信仰は浄土宗、浄土真宗の信仰の仕方で、阿弥陀仏のさしのべる手〔本願....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
お世話にならずとも、自力で極楽往生の道があろうが、他によるべのない悪人は、弥陀の他力本願に依頼してのみ往生が出来る。十方の衆生至心に信楽して、我が極楽浄土に生れ....