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他動的
「他動的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
他動的の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「骨を削りつつ歩む」より 著者:佐左木俊郎
たのは、廿一の秋で、今から五年前の事である。そうと意志のきまるまでは、随分種々と
他動的に迷わされていたが、私を決心に導いてくれたものは私の病気だった。 私は廿....
「日々の映り」より 著者:宮本百合子
」 そういう心配は、ひろ子にもすぐうなずけた。これまでの生活のなかでは幾度か、
他動的にひろ子の家庭はこわれた。 「またあたい一人になって、こまっちゃわないだろ....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
うなことを、感じてはいなかったかということなのである。何んだか今まで自分が、彼を
他動的に、彼の生活の型から脱しさせようと焦っていたのではなかったかなどとも思った....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
は動的の表現は無い……変化の出来ないものに表現力のあろう筈がない ……あっても
他動的で自動的ではないにきまっている…… という事になります。 この観察は悉....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
ず、経済的不安もなく、その上、良心の満足もあって落着ける条件を、客観的には安易な
他動的な偶然の上に発見したのであった。新しい日本の社会の空気と、それが作家に可能....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
いるほど、この政治的利害という政党政治的結果を実は信用していないので、そこで一種
他動的な普通選挙的通念を通じて、無意識に、この政党即ちこの政党ファシズムを、支持....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
、次第に衰えて来る。官僚は段々と元来のただの官吏にまで、単なる行政技術家にまで、
他動的で非人間的でその癖横柄で繁文縟礼的な単なる事務の機械的な執行者にまで、萎縮....
「時代と人々」より 著者:宮本百合子
である。 坪内先生とは余り年代がちがいすぎていた。それに私としての結ばれかたが
他動的であったことなどから、外面には大きくかかわりながら、語るとなると消極なあら....
「源氏物語」より 著者:紫式部
って、せめてこの上の罪は重ねまいと深く思召したのであるのに、またもこうしたことを
他動的に繰り返すことになったのを悲しくお思いになって、恨めしいふうでおありになり....
「切捨御免」より 著者:坂口安吾
という以上の断定は不可能であろう。 いかに首実検の証人たちが、記憶が不明確で、
他動的であるかと云えば、こゝにハッキリした証拠があるのである。九人だか十一人だか....
「柳原燁子(白蓮)」より 著者:長谷川時雨
歌で訴えるように事実苦しみぬいていたかどうか。(略)この行動が、はたして自動的か
他動的か、これもまた批判してその価値をさだめる有力な材料でなくてはならない―― ....
「うつす」より 著者:中井正一
がわかたれてくる。何か企画的に自動的に移す場合と、単にそこに投げだされる意味での
他動的な覆す場合がある。これが光の領域にあらわれる時、光の二つの方向としてあらわ....
「それから」より 著者:夏目漱石
て、御地へまかり越す積りである。但《ただ》し本店からの命令で、栄転の意味を含んだ
他動的の進退と思ってくれては困る。少し考があって、急に職業替をする気になったから....