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「他国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

他国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
で来勝ちだった。彼女はあの賑やかな家や朋輩《ほうばい》たちの顔を思い出すと、遠い他国へ流れて来た彼女自身の便りなさが、一層心に沁《し》みるような気がした。それか....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
内に、おぎん一人を残したまま、二人とも故人になってしまった。勿論《もちろん》彼等他国ものは、天主のおん教を知るはずはない。彼等の信じたのは仏教である。禅《ぜん》....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
へ追立《おった》てながら、 「織さん、鰯《いわし》のぬただ、こりゃ御存じの通り、他国にはない味です。これえ、早くしなよ。」 ああ、しばらく。座にその鰯《いわし....
婦系図」より 著者:泉鏡花
昨夜にも、お迎いに上げましょうと思ったけれど、一度、寂しい思をさして置かないと、他国へ来て、友達の難有さが分らないんですもの。これからも粗末にして不実をすると不....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れている。『彼ら(カルデア人)は長い年月の間星辰を注目してきて、しかしてあらゆる他国民よりも仔細にその運動と法則とを観察してきたおかげで、将来起るべきいろいろの....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
半時かかればとって、直ぐに突ん流れるような疾え水脚では、コレ、無えものを、そこは他国の衆で分らねえ。稲妻を掴えそうな慌て方で、ざぶざぶ真中で追かける、人の煽りで....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
みた、女の事が……こうした人懐しさにいや増る。…… ここで逢うのは、旅路|遥な他国の廓で、夜更けて寝乱れた従妹にめぐり合って、すがり寄る、手の緋縮緬は心の通う....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
い度胸なのが、すたすたもので、町も、村も、ただ人気のない処と遁げましたわ、知らぬ他国の奥州くんだり、東西も弁えない、心細い、畷道。赤い月は、野末に一つ、あるけれ....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
っていただけである。 私は気分を変えようとして旅に出たこともある。だが、知らぬ他国にあって感じる孤独が恐怖の念をいだかせた。私には自分がこの地上にたッたひとり....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
し度し、御承知にてもあらんが仏国は世界第一の織物国にして生糸の需用甚だ盛なれば、他国の相場より幾割の高価にて引受け申すべしとの事なり。一見他に意味なきがごとくな....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
ものの、魔界の姿見るがごとし。この種の事は自分実地に出あいて、見も聞きもしたる人他国にも間々あらんと思う。われ等もしばしば伝え聞けり。これと事柄は違えども、神田....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
鉦形に肱をあげて、打傾きざまに、墓参の男を熟と視て、 「多くは故人になられたり、他国をなすったり、久しく、御墓参の方もありませぬ。……あんたは御縁辺であらっしゃ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
たい事が出来たのです。 唐花の絵天井から、壁、柱へ、綾と錦と、薄暗く輝く裡に、他国ではちょっと知りますまい。以前、あのあたりの寺子屋で、武家も、町家も、妙齢の....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
きれいだよ。敷いてある松葉は毒にはならない。」 「ええ、私なんか、お腹がすけば、他国の茸だって生で食べます。人間は下ってますけれど、そんな事に掛けては仙人ですか....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
アメリカ軍人、軍属並びにこれらの家族には、日本の裁判権は及びません。およそ一国が他国の軍隊によってその安全が保障され、その期間が長きに及べば、独立は隷属に転化す....