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他所
「他所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
他所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
を女中をひっくるめてにらみ回しながら古藤は、
「外部《そと》よりひどい……どこか
他所《よそ》にしましょうか」
と葉子を見返った。葉子はそれには耳もかさずに、思....
「或る女」より 著者:有島武郎
いるのを知った。さっそくに出迎えに出た女将《おかみ》に、今夜は倉地が帰って来たら
他所《よそ》の部屋《へや》で寝るように用意をしておいてもらいたいと頼んで、静々《....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
だから堪らない。ぼとぼとと、あとが、ふんだらけ。これには弱る。そこで工夫をして、
他所から頂戴して貯えている豹の皮を釣って置く。と枇杷の宿にいすくまって、裏屋根へ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は、太陽光面の光を吸収するものよりも低い。これは疑いもなく黒点上のガス体の密度が
他所よりも大きいことによるのであろうが、しかしこれは黒点の基底の輻射層が、太陽の....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
慮される。……かし本の紙ばかり、三日五日続けて見て立つと、その美しいお嬢さんが、
他所から帰ったらしく、背へ来て、手をとって、荒れた寂しい庭を誘って、その祠の扉を....
「女客」より 著者:泉鏡花
るじは若々しいものいいで、 「お民さんが来てから、何となく勝手が違って、ちょっと
他所から帰って来ても、何だか自分の内のようじゃないんですよ。」 「あら、」 と....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ぞ御心配な事ではございませんか。) 一口がぶりと茶を飲んで、 (詰らぬ事を……
他所へ来た電報に、一々気を揉んでいて堪るもんですか。) (でも、先刻、この電信が....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
ましたじゃ。 が、御存じない。いやこれは然もそう、深窓に姫御前とあろうお人の、
他所の番地をずがずがお弁別のないはその筈よ。 硫黄が島の僧都一人、縋る纜切れま....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
一人々々数えてみると、なるほど一人姫が多い。誰も彼も多いと云う。 念のために、
他所見ながら顔を覗いて、名を銘々に心に留めると、決して姫が殖えたのではない。定の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
鉢に噛りついたんですけど……そうでもない、ほかの事とは違って、お参詣をするのに、
他所の方が、こうだから、それだから、どうの、といっては勿体なし……一人ででも、と....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
頂もずっと高い、かぶさる程なる山を見つつ、胴ぶくれに広くなった、湖のような中へ、
他所の別荘の刎橋が、流の半、岸近な洲へ掛けたのが、満潮で板も除けてあった、箱庭の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
い、それはそれは暗い、冷たいものでございました。最初の恋に破れた私には、もともと
他所へ縁づく気持などは少しもなかったのでございましたが、ただ老いた両親に苦労をか....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
って話したら、どんなにか喜ぶでしょう。」とさも懐しげにいうのである。 金之助も
他所事とは取らない気色で、 「いや、私はこれでなかなか当世じゃあないんだから、女....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ルからお飯が取れるから、それでも食って、病院だから酒は不可んが、夜とともに二人で
他所ながらお伽をする気だ。 そうして貴下が、仏像の前で、その言行録を誦する経文....
「活人形」より 著者:泉鏡花
り込みて、日影ようよう傾く頃、相州鎌倉に到着なし、滑川の辺なる八橋楼に投宿して、
他所ながら赤城の様子を聞くに、「妖物屋敷、」「不思議の家、」あるいは「幽霊の棲家....