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他流試合
「他流試合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
他流試合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
分ながら信じています。しかしその時の私は違っていました。 四十一 「私はちょうど
他流試合でもする人のようにKを注意して見ていたのです。私は、私の眼、私の心、私の....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
得てな、その腕ならばそちも二三度位は道場破りした覚えがあろう。その折の骨を用いて
他流試合に参ったごとく持ちかけ、そちの手にあまる者が飛び出て参るまで、当て身、遠....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
に、どうかすると、鑿と小刀を風呂敷に包み、「彫り物の武者修業に出るんだ」といって
他流試合に出掛けるものがいたもんです。仏師の店へ飛び込んで、 「師匠と腕の比べっ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の者と談話を交換し意見を闘わすを楽の一として居る。読書、旅行と共に、若い者相手の
他流試合は、爺さんの道楽である。旅行をするには、風呂敷包一つ。人を訪うには、初対....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んにん》で、それが同流の最も手筋《てすじ》よき宇津木文之丞と組み合ったのだから、
他流試合よりももっと皮肉な組合せで、故意か偶然か世話人の役割を不審がるものが多か....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
」 「面も胴も必要がない?」 「一家中ではござりまするが流儀の相違がござります。
他流試合真剣勝負、この意気をもって致します覚悟……」 「ははあさようかな。いやお....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
塵《みじん》に叩き潰《つぶ》す覚悟をきめてやって来たのだから、その権幕は、尋常の
他流試合や、入門の希望者とは違う。 ところで、これを引受けた斎藤の道場には、長....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
他流へむやみと遣いに行ったら、その時分はまた剣術が今のようにはやらぬから、師匠が
他流試合をやかましく言った。他流は勝負をめったにはしないから、みな下手が多くあっ....
「文人囲碁会」より 著者:坂口安吾
ことは一度もない。豊島大将を始め至って弱気ですぐ投げたり諦めたりしてしまうから、
他流試合には全然ダメで、勝つのは尾崎と僕だけだ。尾崎と僕は必ず勝つ。相手は僕らよ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
っているとは思われない。 そういう実験の一つとして、私は催眠術の先生のところへ
他流試合に行って、催眠術が私にかかるかどうか試合をしてみようかと考えたこともあっ....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
て尾ヒレをつけて吹聴したから、腕に覚えの連中が腹をたてた。毎日のように五人十人と
他流試合につめかける。相手になる房吉は、事情を知らないから、さすがに江戸の剣客は....
「正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
助橘正雪張孔堂、十能六芸|伊尹両道、仰げば天文俯せば地理、武芸十八般何流に拘らず
他流試合勝手たる可き事、但し真剣勝負仕る可き者也 こういったようなものでした。....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
創造と闘いとの気魄のない官学風の教育の無力であること。 二つには広い世間を見て
他流試合をしなくてはいけないこと。つまり井中の蛙となって、自己陶酔してはいけない....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
、溜りへ行って道具を脱ぎ、左右の破目板を背後に負い、ズラリと二列に居流れた。 「
他流試合希望の者、召し連れましてござります」 取り次ぎの武士は披露した。 す....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
であった。 二葉亭が春廼舎を訪問したのは、昔の武者修行が道場破りをするツモリで
他流試合を申込むと多少似通った意気込がないではなかった。が、二葉亭は極めて狷介な....