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「他生の縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

他生の縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
礼を申してよいやら」改めて庄三郎は礼を云う。 「一樹の蔭一河の流れ、袖振り合うも他生の縁とやら、何んのお礼に及びましょうぞ」 こう云って松虫は微笑したが、その....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
た。 同行二 因縁と申すものは不思議なものでございますな。 僧一 袖の振り合いも他生の縁とか申します。 僧二 こうして皆様と半日をいっしょに温かく話すのでも、縁....
もの思う葦」より 著者:太宰治
する清姫滝、そのような絵はがきよりも浅草仲店の絵はがきを好むのだ。人ごみ。喧噪。他生の縁あってここに集い、折も折、写真にうつされ、背負って生れた宿命にあやつられ....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
》の計画は、どんな相手にも、歯から外へは出せないのだ。 「ならば、袖擦り合うも、他生の縁、況《ま》して、あれ程の御縁もあること、拙宅へ、ちょいと、お立ち寄り願わ....
超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
らヤヤコシイ。いい加減というよりも寧ろミジメな位の混合種ばかりが、尻尾振り合うも他生の縁という訳でギャンギャンキャンキャン吠え合っていたものだが、そいつが吾輩の....
名娼満月」より 著者:夢野久作
仕舞おうが、生きた人間の病気は、そのようなものと同列には考えられぬ。袖振り合うも他生の縁とやら。それほどの病気ならばこちらへ引取って介抱しとうなるのが人情。まさ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
屹と立て、 「殺す気で蒐れ。こっちは覚悟だ、さあ。ときに女房さん、袖摺り合うのも他生の縁ッさ。旅空掛けてこうしたお世話を受けるのも前の世の何かだろう、何んだか、....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
愛し合いながら終わりを全うすることができないで別れねばならなくなるのか。仏教では他生の縁というような考え方をするが、かりそめに対すれば、こうしたこともただかりそ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
さん」 「さよう、いかにも気の毒。なんとかならんもんでしょうかなア。袖すりあうも他生の縁。あんた、ひと肌をぬいでつかわさりまッせ。加代姫だけならいいが、三十二万....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
そばれたことであろう。 が、ここが当座のねぐらという気がする。 袖すりあうも他生の縁、この人とならば膝をつき合わしていても安心だ。 ――添われまいとて苦に....
」より 著者:岡本綺堂
陰気になっちゃあ、お附合いが出来ないじゃありませんか。ねえ、あんた。袖ふり合うも他生の縁とかいうから、そんなにあたしを嫌わなくっても好いでしょう。今夜はここで仲....
活人形」より 著者:泉鏡花
と極めつけられて悄気かえり、「ああ呼吸を引取ましたかい。可愛や可愛や、袖振合うも他生の縁とやら、お念仏申しましょ。と殊勝らしく眼を擦り赤めてやおら病院を退出ぬ。....