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他界
「他界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
他界の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
衛は、席にいたたまらぬまでに赤面するのを常とした。 寛永十八年に、藩主忠利侯が
他界して、忠尚侯が封を継いだ。それを唯一の事変として、細川藩には、封建時代の年中....
「階段」より 著者:海野十三
たものか却々影をみせなかった。 3 博士は遂に手当の甲斐なく、その儘
他界した。忌わしい殺人事件が国研の中に突如として起り、しかも白昼、所長の芳川博士....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
行われるより外に出来ないことなのでした。Y――が私以外の者に語ることを断念し而も
他界してしまった今日、それは唯私一人によって保たれている秘密なのです。未解決のま....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
身が、メラメラ立ち上る焔のようなものに包まれてしまった。「勿論ダンネベルグ夫人は
他界の人ですし、伸子もそれを口に出す道理はありません。しかし、事件の最初の夜、伸....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
こで終っていた。|悪魔の尿溜の妖気に、森の掟に従わされ、よしんば生きていても遠い
他界の人だ。不思議とマヌエラには一滴の涙もでなかった。 彼女はなかに、もう一通....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
るとともにまた容態が悪化し、遂に陽春四月に入ると全く危篤の状態に陥った。ミチミが
他界したのは四月十三日のことであった。 折から桜花は故郷の山に野に爛漫と咲き乱....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
は筆蹟だけ一瞥すれば、それが何者の通信であるかが、はっきり判るようになった。 『
他界の居住者中には、直接私の手を使うことができず、レクタアと称する霊をして、代筆....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
れという器具調度はない――と云う部屋は蝋燭の火と、それを映している鏡の反射とで、
他界的と云おうか夢幻的と云おうか、そう云ったような言葉をもって、形容しなければな....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
にも未亡人はこの宗教と死ぬまでも縁を切らないでいたのである。 西岡夫人はすでに
他界したが、鶴見には夫人は第三者としてではなくて、もっと身近にいつまでもいてくれ....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
のために呼吸はとまり、船具の破片等にその身を打たれて、身体を大檣に縛りつけしまま
他界の鬼となりしならん、かく心づいて見れば、彼の額や胸の辺りには幾多の打撲傷あり....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
事は、いつぞや姉御にも話して置いた」 「それは確かに聴きました」 「万一先生、御
他界の間に合わぬ時は、折角の秘伝は消滅して、残念ながら此世には遺り申さぬ。それが....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
、あるいは不成功に終るかも知れぬ、ただ吾々は諸君が何物よりも貴重する身体を安全に
他界に移し得らるるかとも信ずるのだ」 と彼は熱誠を以て説いた、聴衆はあたかも暗....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
であった。世間に合わす顔がなく憤死したわけでもなかろうが、七、八年続いた後、彼は
他界してしまった。力のない職人、芸術の天分を有さない作人、美に関心なき工人、個性....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
が死期を知ると、しずかに慧鶴の名を口誦み、頬に微笑のかげさえ浮べながら、そのまま
他界の人となった。 身も心も弱い娘だ。だが男を思い諦らめる一方に心の精力を使い....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
きるための糧とすることができたのは幸いだった。ただ残念なのは、二人の息子がすでに
他界したことである。二男賛次郎は大戦中陸軍大尉の資格で糧秣廠に通っていたが、疲労....