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他聞
「他聞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
他聞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
つもり》なのじゃ。」
私が不審《ふしん》そうにこう尋ねますと、私の甥はあたかも
他聞を憚《はばか》るように、梅の青葉の影がさして居る部屋の前後へ目をくばりながら....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
から一なすり墨をぼかしたような夏羽織で、西瓜《すいか》の皿を前にしながら、まるで
他聞でも憚《はばか》るように、小声でひそひそ話し出した容子《ようす》が、はっきり....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
はい」
富「少々お遠ざけを願います」
安「はい、慶治《けいじ》御内談があって
他聞《たぶん》を憚《はゞか》ると仰しゃる事だから、彼方《あちら》へ行っておれ、え....
「闇夜の梅」より 著者:三遊亭円朝
》いては私《わたくし》より少々粂之助へ申聞《もうしき》けたい事がござれど、少しく
他聞を憚《はゞか》りまする故、何所《どこ》か離れたお居間はござりますまいか、余り....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
かげさまで……お用談はそれについて何か……?」 「さよう。なぞが解けるまではちと
他聞をはばかるが、血を分けたお姉御ならばさしつかえもあるまい。お冬どのに変なこと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
失させたなどとあっては、公儀へのきこえも宜しくない。そういうわけで、屋敷の方でも
他聞を憚《はばか》って、飽くまでも秘密に穿鑿《せんさく》しているのである。それを....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
、何うしても御舎弟紋之丞様を直さねばならん、ところがその、此処に婆が居っては……
他聞を憚ることじゃ……婆が聞いても委しいことは分るまいが……、婆嘉八とも暫時彼方....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
さった、我々の仲間で、ぜひ一つ通人に腕貸しをしていただきたいのはほかではない――
他聞を憚《はばか》るによってちと……」 そこで木口勘兵衛と、安直と、通人が鼎《....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
さア此の菓子を食べるが宜い」 山「有難うございます」 宮「何か頼みか」 山「少々
他聞を憚りますから、御近習の衆をお遠ざけ下さいますれば有難う存じます」 宮「左様....
「死因の疑問」より 著者:豊島与志雄
られないように思われます。前からの事情を、恥をしのんで、お打ち明け致しましょう。
他聞を憚る事柄ですから、ここだけのことにしておいて下さいませ。もちろん、警察の方....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
十郎のすぐ側に坐って、肴をせせっていた村医者らしい、七十近い老人が、声をひそめて
他聞を憚るらしく、自分の前に坐っている、これも六十を過ごしたらしい、寺子屋の師匠....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
ても一大事なら、当岡山城、池田の御家に取っても容易ならぬ一大事で」 「えッ」 「
他聞を憚る事じゃから、そのつもりで」 半田屋九兵衛、何んだか気味が悪くなって来....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
すめながら、 「どうも暑くなりまして。……して御要件は」 「それがその、ええちと
他聞を憚る事でございまして」商会主は汗を拭きながら云った。 「その点は御心配に及....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
差附け、 正「え……なに……何んだか小声でさっぱり分りません……くすぐったいね、
他聞を憚る儀ですと……ウン成程……へえ/\それはいけません……へい成程……フン…....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
』 『殺人事件よりも重大?』 『大変な事なんですの。私達にとってはね』 夫人は
他聞を憚るからと云って、寝室に続いた彼女の居間に私を案内いたしました。そこは小じ....