付き纏う[語句情報] » 付き纏う

「付き纏う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

付き纏うの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宝石の序曲」より 著者:松本泰
の賑《にぎ》やかな新世界|界隈《かいわい》を思い浮かべていた。 海保はうるさく付き纏う情婦の百合江《ゆりえ》を殺してしまった。そして、その死体を完全に処分して....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
せかけるためでありました。 かようにして意を安んじました小生は、早くも五月蠅く付き纏う暗殺者の眼を逃れつつ、妻に危険を及ぼさぬように注意して二三度面会致しまし....
斬られたさに」より 著者:夢野久作
…お関所破りの贋せ若衆とあれば天下の御為に容易ならぬ曲者と存じ、当藩の役柄の者に付き纏うところを、ここまで逐い詰めて参いったとあれば、大目附でも言句はない筈じゃ....
キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
ラユル危険を物ともせずに、折からの暗夜に紛れて、旭川の町にかかっているその劇団に付き纏うたものでしたが、そのうちに、トウトウ彼女と連絡を取ることに成功しますと私....
十二支考」より 著者:南方熊楠
しきりに飛び付く。蝶蜂は形を問わず、己《おの》が好む花の色したよい加減な作り物に付き纏う事あり。南米産の猴《さる》に蠅の絵を示すと巧拙構わず抓《つま》みに来るを....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
したがここもできたことはない。無限に続く倦怠は執念深きこと蛇のごとくここでも私に付き纏う。孤独の寂し味のなかに包まれて、なんのことはない、餅の上に生えた黴のよう....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
思い出せば、遠く離れた此処に斯うしていても、何とも言うに言えない失態が未だに身に付き纏うているようで、唯あの土地を、思っても厭な心持がする。ナニ糞! と思って了....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
墻壁を越して、階前の梧葉にも凋落の秋を告げる。貞子の豪奢な生活にも浮世の黒い影は付き纏うて人知れず泣く涙は栄華の袖に乾く間もないという噂である。この貞子が世間に....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
る美しい夫婦の顔を向き合って菓子位つまむだけだ。ここにも小笹屋の若旦那の大ふうが付き纏うのか。話をしたいのは山々だが、心からの言葉はつい自分の無教育をも暴露しそ....