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付く
「付く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
付くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
つな卑しい調子は、すぐ葉子の神経にびりびりと感じて来た。
何しろ葉子は早く落ち
付く所を見つけ出したかった。古藤は停車場の前方の川添いにある休憩所まで走って行っ....
「或る女」より 著者:有島武郎
が、すぐ櫛巻《くしま》きにして黒襟《くろえり》をかけたその女が葉子だったのに気が
付くと、いつもの渋いように顔をくずして笑いながら、
「なんだばかをしくさって」
....
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
うとしましたが、やはりおとうさんもおかあさんも狸の化けたのではないかと、ふと気が
付くと、何んだか薄気味が悪くなって飛びつくのをやめました。そしてよく二人を見てい....
「二つの道」より 著者:有島武郎
わ》めあぐんだ時、人はたまりかねて解決以外の解決に走る。なんでもいいから気の落ち
付く方法を作りたい。人と人とが互いに不安の眼を張って顔を合わせたくない。長閑《の....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
対する反抗は取りも直さず新らしい定説、新らしい習慣を作るが為であるという事に気が
付くことが、一日遅ければ一日だけの損だというのである。そしてその損は一人の人間に....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
ていた僧正は、クララによそながら告別を与えるためにこの破格な処置をしたのだと気が
付くと、クララはまた更らに涙のわき返るのをとどめ得なかった。クララの父母は僧正の....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
めてこのフィムブルの冬が過ぎ去って氷雪が消え失せたというのである。 誰でも気の
付く通り、この伝説は著しい気候の悪化、その結果として氷河が陸地を覆い、民族の移動....
「聖書」より 著者:生田春月
いような気がする。 むやみにいじくって見る。何やら古い、尊い香がする。――気が
付くと、Kさんの話はいつの間にかどしどしイプセンに進んでいた。イプセンと聖書、イ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
戦、極端な大戦争をやります。その戦争は長くは続きません。至短期間でバタバタと片が
付く。そうして天皇が世界の天皇で在らせらるべきものか、アメリカの大統領が世界を統....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
を浴びた裙から冷え通って、正体がなくなる処を、貝殻で引掻かれて、やっと船で正気が
付くのは、灯もない、何の船やら、あの、まあ、鬼の支いた棒見るような帆柱の下から、....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
苺の木の茂って居る中へ引っ込んだ。娘は直ぐに別荘に帰って、激した声で叫んだ。「喰
付く犬が居るよ。お母あさんも、みんなも、もう庭へ出てはいけません。本当に憎らしい....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
手が着きませぬ。」 と婆々は片づけにかかる気で、前の銚子を傍へ除けようとして心
付く、まだずッしりと手に応えて重い。 「お燗を直しましょうでござりますか。」 ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
所は、以上の如き人達ではなく、之に反して神を知り愛と慈悲とに燃え、やがて自分の落
付くべき来世生活につきての知識を求むる、素直な魂の所有者である。が、悲しい哉、天....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
、心に関するところはただ利益の一点にして、或は商人のごときは兵乱のために兵器を売
付くるの道を得てひそかに喜びたるものありしならんといえども、その隙に乗じて政治的....
「活人形」より 著者:泉鏡花
茂りたる林の中へ行懸りぬ。月いと清うさしいでて、葉裏を透して照らすにぞ、偶然思い
付く頬の三日月、また露れはせざるかと、懐中鏡を取出せば、きらりと輝く照魔鏡に怪し....