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「付根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

付根の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
永日小品」より 著者:夏目漱石
でも触《さわ》ったほど神経に応《こた》える。首をぐるりと回してさえ、頸《くび》の付根が着物の襟《えり》にひやりと滑《すべ》るのが堪《た》えがたい感じである。自分....
少女地獄」より 著者:夢野久作
指が触ったと思ったら突然《いきなり》、喰付かれたんですの……コンナニ……」 と付根の処を繃帯した左手の中指を出して見せた。 「……見ろ。これからソンナ出裟婆《....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
うな濃い色がむらむらと煮染《にじ》み出した。見るうちにそれが顔一面に広がって耳の付根まで真赤に見えた。これは気の毒な事をした。化銀杏《ばけいちょう》の方へ逆戻り....
名君忠之」より 著者:夢野久作
を斬ってッ……」 「未練なッ……退けッ……」 右肘で弾ね退けられた与一は、襖の付根までコロコロと転がった。その間に昌秋は、袖に捲いた金剛兵衛をキリキリと左に引....
一足お先に」より 著者:夢野久作
した。眼がハッキリと醒めてしまった。 ……私の右足が無い…… 私の右足は股の付根の処からスッポリと消失せている。毛布の上から叩いても……毛布をめくっても見当....
旅愁」より 著者:横光利一
は向うを向いた久慈の背を自分の方へ廻そうとして、にたりとした笑みを泛べ、彼の腕の付根を引っぱりながら、 「こっちを向きなさいよ。何も羞しい人いないわ。皆さん船の....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
と股に蜘蛛の巣がイレズミされてゐる。腹には揚羽蝶と木の葉がひつかゝり、片足の股の付根にカマキリが羽をひつかけて斧をふりあげて苦闘し、片股に油蝉がかゝつてゐる。中....
七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
は出してよいけれども、その他のものは見せてはならないという掟でもあるものか、鼻の付根からヤシマクとかいう長さ二三寸の金属や象牙で出来た管を付け、その管にはきまっ....
おせん」より 著者:邦枝完二
凄まじかった。 その六|畳の行燈の下に、机の上から投げ出されたのであろう、腰の付根から下だけを、幾つともなく描いた紙片が、十|枚近くもちらばったのを、時おりじ....
荘子」より 著者:岡本かの子
ず先頃洛邑での遜のあついもてなしを謝したのち、次には黙って掌を示し、仰向けた指の付根に幾粒も並ぶマメを撫でて遜に見せた。遜は落付いた声音で云った。 「あなたは薪....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
「はあて彦としたことが、一眼見りゃあわからあな、そりゃあお前、女子の左頬だ。髪の付根と言い死肌の色と言い、待ちな、耳朶の形と言い、こうっと、ま、三十にゃあ大分|....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、ハッとふりほどかれて、侍の肩を越した。 そしてその体が地につかぬうちに、腕の付根から肋骨へかけて、ザッと、あまりにすごい二の太刀がかかる……。 目にもくれ....
ひとりすまう」より 著者:織田作之助
せるのだったが、唯一つ、少し上にむくれている上唇が、可憐に見えた。彼女は時々眉の付根を引き寄せる癖があるので、ぼくはそれを「眉をひそめる」という意味にとり、気に....