付添い[語句情報] » 付添い

「付添い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

付添いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
打ちをした女があった。はっとして吉田がその女の顔を見ると、それはその病舎の患者の付添いに雇われている付添婦の一人で、勿論そんな付添婦の顔触れにも毎日のように変化....
さようなら」より 著者:田中英光
してくれたのに、むしろホッとした。無論、その死顔も忘れている。お栄ちゃんは長兄が付添い、避病院の一室で死に、その葬式は祖父と一緒に盛大に営なまれたが、ぼくは自分....
行人」より 著者:夏目漱石
様子はなかった。自分もこの女に対してさほど厭な感じはもっていなかった。醜い三沢の付添いは「本間《ほんま》に器量の好《え》いものは徳やな」と云った風の、自分達には....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
よ!」 ピシッ、と劇しい鞭の音が、その瞬間聞こえて来た。血紅色の陣羽織を着た、付添いの武士が革の鞭で、尼の背中をくらわせたのである。 キリキリキリキリと車が....
狂乱」より 著者:近松秋江
つかしい言うて息子はんたち心配してはりますところへ、知った人さんから頼まれて私が付添いに来てますのどす。そしてあの娘は遠いところの親類に預けてしまいました」母親....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
返らすボネットの蔭からチラリと見える白い鼻の愁い、悲壮な最後を遂げた名士の棺側に付添いながら金モール服揚々たる八の字鬚の誇り……これ等の表現は絶対的に不可抗力の....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
はベラン氏をおかしいほど大切にしているが、氏の方は、それと反対にすこぶる冷淡で、付添いぐらいにしか扱っていない。 そのベラン氏が、なにか話したげに、僕の傍へや....
三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
冒して死に至らしむること、医学上の常識的経過だとも言われる。病舎にあって三木は、付添いの者もなく、寝台の外に倒れていたことが事実らしい。それらのことを、吾々は一....
霊感」より 著者:豊島与志雄
に塩瀬の帯、紋付の羽織をひっかけました。小泉さんはA女より少し背が低く、なんだか付添いの女中のように見えました。 松しまの入口は、手狭い洒落た造りで、そこをは....
古木」より 著者:豊島与志雄
木の伐採を頼む自分の言葉が、胸にひしと反響する心地で、それに沈湎してゆきました。付添いの看護婦に促されて、巳之助は我に返り、床に就きました。湯たんぽを入れた足先....
僕はもう治っている」より 著者:坂口安吾
三人組が現われて、坂口は麻薬中毒だろう、嘘をつくな、と、千谷先生、係りの看護婦、付添いを散々なやました由であるが、こういうデマがどこから出てくるのかボクには理解....
岩魚」より 著者:佐藤垢石
。たみは、六十五歳になっていた。すぐ家族三人で相談し、雅衛に遠い親戚の中年の男を付添いとし、常陸国の麻生まで急がせた。二人は手紙の主を尋ねて厚く礼を述べ、その案....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
刀隊はうらやましい。斬られた者も何十人か居るが、刀あ抜いて斬って廻れらあ。副隊長付添い、真壁の仙太郎さなんどは、軍《いくさ》が始まってから、あっちこっちでもう十....
人狼」より 著者:岡本綺堂
の戸締りをしましょう。 お妙 まったく此頃は戸締りが大切です。 (おいよにお妙も付添いて奥に入る。風の音。下のかたより以前の昭全が源五郎を案内して出づ。源五郎は....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
付け、力強くかつ気転ある者に持たせ、他の人々は提灯をもち、曲太鼓の囃しにてこれに付添い、湊口の番所の所まで、列をなして行ったという。多分は他の北海の湊々と、張合....