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仙洞
「仙洞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仙洞の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「山椒大夫」より 著者:森鴎外
しておいでなされた。これを持ち伝えておるからは、お前の家柄に紛《まぎ》れはない。
仙洞《せんとう》がまだ御位《みくらい》におらせられた永保《えいほう》の初めに、国....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
が江戸の方から上って来て、いずれも鉄砲持参で、一人ずつ腰弁当でこの街道を通った。
仙洞御所の出火のうわさ、その火は西陣までの町通りを焼き尽くして天明年度の大火より....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
ンク、その上に置かれた枝垂れのベコニヤ、印度の宮殿を思わせる金糸の壁かけ、支那の
仙洞を忍ばせる白鳥の羽箒なぞ……そんなものは一つ残らず、未亡人が入院した昨夜から....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
に猿皮の空穂《うつぼ》を忌む。『閑窓自語』に、元文二年春、出処不明の大猿出でて、
仙洞《せんとう》、二条、近衛諸公の邸を徘徊せしに、中御門《なかみかど》院崩じ諸公....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
るとあれば、鶏にもそれほどの事は行われそうだ。『古今著聞集』承安二年五月二日東山
仙洞で鶏合せされし記事に、無名丸、千与丸などいう鶏の名あり、その頃は美童や、牛、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
内の近侍について縫ってゆくと、繁みあり、池水あり、数奇結構をこらしてさながら禁裡
仙洞《きんりせんどう》へ迷いこんだおもむき。
夢のような夜景色といおうか……ぼ....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
主となし奉るべし―― とか、または、 ――大老は、関白尚忠と同腹にて、主上を
仙洞御所に移し奉り、祐宮を擁立して新帝と仰ぎ奉り、関白をもって摂政となし、幕府の....
「にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
明天皇ご即位前後、禁裡御料のことは代官小堀が代々管掌していた。代官小堀は、禁裡と
仙洞御所の諸官からの申告によって、宮中一ヵ年の収支を計算し、これを京都所司代へ差....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
愛着がこの寺に集まった。従って尼寺と後宮との交渉が多く、後には孝謙上皇が住まれて
仙洞御所のようになったこともあった。そのころは上皇ももう御年が四十六七であった。....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
受禅されると、通親は外舅として勢力を得、内大臣に昇り、後鳥羽上皇の院別当となって
仙洞御所の実権を握り、卿二品という女傑と結んで政を左右する。それに対して九条家は....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
(後宇多の後宮)に仕えていた女童の頃から知っている。 兼好も、かつては後宇多の
仙洞に北面として近侍していたことがあったからだ。 しかしその小右京は、やがて恋....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
の末期にあがいた人々の演じた人間|宿業劇は、余りにも、生々しいものでした。内裏や
仙洞御所は、その活舞台です。崇徳天皇も、近衛幼帝も、みなこれ、畏き傀儡たるにすぎ....