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代り
「代り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
代りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
て、どんな遠い所の事でも嗅《か》ぎ出して来る利口な犬だ。では、一生|己《おれ》の
代りに、大事に飼ってやってくれ。」と言うかと思うと、その姿は霧のように消えて、見....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
来なかったかも知れない。
「もしまた幸福になるとすれば、――いや、あるいは若槻の
代りに、浪花節語りを得た事だけでも、幸福は確《たしか》に幸福だろう。さっき藤井が....
「影」より 著者:芥川竜之介
身をさし延ばした。
「今西君。鄭《てい》君にそう云ってくれ給え。今夜はどうか私の
代りに、東京へ御出《おい》でを願いますと。」
陳の声はいつの間にか、力のある調....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ぞうが》を描《か》いて貰ったと云う一条です。その肖像画は彼が例のナポレオン一世の
代りに、書斎の壁へ懸けて置きましたから、私も後《のち》に見ましたが、何でも束髪《....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
を征服出来たでしょうか? たとえば文字《もじ》を御覧なさい。文字は我々を征服する
代りに、我々のために征服されました。私が昔知っていた土人に、柿《かき》の本《もと....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
げ》唯我独尊《ゆいがどくそん》」と獅子吼《ししく》した事などは信じていない。その
代りに、「深く御柔軟《ごにゅうなん》、深く御哀憐《ごあいれん》、勝《すぐ》れて甘....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
》ではありません。ただ何年かたって死んだ後《のち》、死体の解剖《かいぼう》を許す
代りに五百円の金を貰《もら》ったのです。いや、五百円の金を貰ったのではない、二百....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
なら、そうして、その影法師が、障子の引手《ひきて》へ手をかけると共に消えて、その
代りに、早水藤左衛門の逞しい姿が、座敷の中へはいって来なかったなら、良雄はいつま....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
せてあった。が、叔母は看護婦が、長い身じまいをすませる間《あいだ》、母の側へその
代りに行っているとか云う事だった。
親子は箸《はし》を動かしながら、時々短い口....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
医学を超越《ちょうえつ》する自然の神秘を力説したのである。つまり博士自身の信用の
代りに医学の信用を抛棄《ほうき》したのである。
けれども当人の半三郎だけは復活....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
始めた。勿論|下戸《げこ》の風中や保吉は二つと猪口《ちょく》は重ねなかった。その
代り料理を平げさすと、二人とも中々《なかなか》健啖《けんたん》だった。
この店....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
せん。 「日本の神々様、どうか私が睡らないように、御守りなすって下さいまし。その
代り私はもう一度、たとい一目でもお父さんの御顔を見ることが出来たなら、すぐに死ん....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
「サー・デビーが英国を出立する前、下僕が一緒に行くことを断った。時がないので、
代りをがある。」 「しかしサー・デビーは、その土地で女中を雇うことをつとめ、これ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
老人が体のあんばいでも悪いことがあると、教会へ出かけて行って、新たにできた友達の
代りをつとめた。冬が来た。その冬はまた馬鹿に寒気がきびしかった。浄めのお水をかけ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
定紋のついた、立派な駕籠に乗せられて、城下の方へつれて行かれました。そして、その
代りに莫大な金が太郎右衛門夫婦に残されました。 「何んてお目出たい話だ。お前のと....