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代筆
「代筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
代筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
んまへんけど、あんた、一つ手紙書いてくれはれしまへんどっしゃろか」と豹一に手紙の
代筆を頼んだ。大津の料理屋で働いている彼女の友達から、近況問合せの手紙が来た、そ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ども無いらしい。酒を少し飲むが、別に悪い評判もない。近所の者にたのまれて、手紙の
代筆などをするが、これも売卜者のような職業としては珍らしいことでもない。要するに....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
偽筆は自分のために利益と見えたことだが、今のは自分の不利益になる事件が含んでいる
代筆だ。僕は、何事もなるようになれというつもりで、苦しい胸を押えていた。が、表面....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
『他界の居住者中には、直接私の手を使うことができず、レクタアと称する霊をして、
代筆せしむるものも少くないのであった。蓋しレクタアは通信の名手で、さまで私の体力....
「雨」より 著者:織田作之助
にもなってと嘲られたのがぐっと胸に来て登楼った。長崎県五島の親元へ出す妓の手紙を
代筆してやりながら、いろいろ妓の身の上話を聞いた。話は結局こういう生活をどう思う....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
印刷させて、和綴の小冊子が出るようになった。端書きも添えておきたいという。鶴見が
代筆をして、一枚ばかり俳文めいた文章を書いた。父は鶴見の文章を読んで、はじめて子....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ざ見舞つたことを看護婦からおそらく聞いていない筈はないとすると、その後、看護婦に
代筆をさせるなり、百瀬しのぶへの便りのついでなりに、なんとか、自分に挨拶の一言ぐ....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
した。「三好透がなんのために妹を脅迫するのか判りませんけれど、手紙ぐらいは誰かに
代筆を頼んだかも知れませんよ。若い友達などの中には、面白半分にそんなことを引き受....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
の長きにわたって喜寿に近づき、殊に最後の数年間は眼疾を憂い、終に全く失明して口授
代筆せしめて完了した苦辛惨憺を思えば構想文字に多少の倦怠のあるは止むを得なかろう....
「入れ札」より 著者:菊池寛
た。 吉井の伝助は、無筆だったので、彼は仲よしの才助に、小声で耳打ちしながら、
代筆を頼んだ。 皆が、札を入れてしまうと、忠次が、 「喜蔵! お前読み上げてみ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
君の許へは、うっかり返事は出せないよ。誰も別に悪戯をするとも思わないけれど、第一
代筆だろう。きみだか何だか分りやしない。何人に断って、俺の妻と手紙の遣取をする。....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
う本名を記し、最初の二、三回は本人の直筆であったが、その後は狂言作者の竹柴瓢三の
代筆になったということである。 わたしは明治時代の演劇史を書いているのでなく、....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
が、新聞社を他へ譲渡すの止むを得ない事情を縷々と訴えたかなり長い手紙を印刷もせず
代筆でもなく一々自筆で認めて何十通(あるいはそれ以上)も配ったのは大抵じゃなかっ....
「雨」より 著者:織田作之助
たら母親を迎えに行けるかという自責が働いていた。長崎県五島の故郷へ出す妓の手紙を
代筆してやりながら、何故こんな所へ来た? 親のため、そやけどこんな所とは思わなか....
「俗臭」より 著者:織田作之助
まって、この意義ある半年振りの訪問は終った。伝三郎は字が書けぬので、番頭に手紙を
代筆させた。社会主義者やと言うたってくれと、伝三郎が念押すと、番頭はその言葉は不....