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「令名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

令名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
若杉裁判長」より 著者:菊池寛
たわけで、五万以上も人口のあるこの△△△市で、若杉裁判長といえば、名裁判長として令名が嘖々《さくさく》たるものでありました。 が、若杉さんの令名が、頂上に達し....
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
屋のつけを懐中に呑《の》んで、蹣跚《まんさん》として登校されるようでは、教場内の令名に関わるのは無論であります。だからいかな長所があっても、この長所を傷ける短所....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
の全部をものがたるものと云ってよい。博士はこの極東科学株式会社化学研究所長として令名があるばかりではなく、「日本のニュートン」と世界各国から讃辞を呈せられるほど....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
も悪びれた様子がなく、反て幾分亢奮をしていたらしく思われる。 係りの検事は夙に令名のある小塚氏だった。小塚検事は多年刑事裁判に従事した人とは思えない温顔に、流....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
して利禄名声のためにその志を移さなかった。時にクフファーの太守フーベーラは、氏の令名を聞いて判官の職を与えんとしたが、どうしても応じない。聘《へい》を厚くし辞を....
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
よって主張され、動機の説明としてはもっぱらこの説が行なわれた。精神病理学者として令名あるフォウブス・ウィンスロウ博士は、往訪の新聞記者ガイ・ロウガン氏に語って、....
十二支考」より 著者:南方熊楠
螺化石多く出るから小螺躍び出て地を崩したというはずのところノーヅツなる奇形化石に令名をしてやられて今もその谷穴をノーヅツと称う。ただし『類函』二六、〈福建の将楽....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
有名だが、この「モナコの岸」の浜の真砂ほど美人女給のなかでも、美人中の美人として令名一世を圧し、言い寄る男は土耳古の伯爵・セルビヤの王子・諾威の富豪・波蘭土の音....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
書記」の所産である。此書中に含まるる論文は故フレデリク・マイヤーズ――詩人として令名があるが、特に心霊科学に多大の努力貢献をした人――が霊界よりカムミンスの手を....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
においても、パリーの下水道はなお神秘な場所であった。およそ泥土《でいど》は決して令名を得るものではないけれども、当時はその悪名が恐怖を起こさせるほどに高かった。....
家なき子」より 著者:楠山正雄
れになるほど、三度まで大げさなおじぎを巡査に向かってした。 「権力を代表せられる令名高き閣下は、わたくしの一座の俳優どもに、口輪をはめろというご命令でございます....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
。これが現在中村屋のカリー・ライスに用いている米である。明治初年、文人画家として令名のあった奥村晴湖女史は、古河藩の家老の娘として生れ、一生を美食で通したという....
土から手が」より 著者:牧逸馬
局である。主任ダンカン・マテスン氏を中心に、捜査会議だ。現在桑港の交通部長として令名ある Charles Goff 警部が、当時まだマテスン氏部下の一介の刑事と....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
る。が、落款があっても淡島椿岳が如何なる画人であるかを知るものは極めて少なく、縦令名を知っていても芸術的価値を認むるものが更にいよいよ少ないのだから、円福寺に限....
北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
てそれを北海道の開拓者の内助者たらしめようとしたこともある。当時米国の公使として令名のあった森有礼氏に是非米国の婦人を細君として迎えろと勤めたというのもその人だ....