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「令弟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

令弟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:夏目漱石
す」としきりに勧《すす》め出した。宗助は多少心を動かした。 「おいでになるのは御令弟だけですか」 「いやほかに一人|弟《おとと》の友達で向《むこう》からいっしょ....
芥川の事ども」より 著者:菊池寛
とばかりであった。 その上、家族関係の方にも、義兄の自殺、頼みにしていた夫人の令弟の発病など、いろいろ不幸がつづいていた。 それが、数年来|萠していた彼の厭....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。余は 紀の国のたより来る日や風|薫る 斯様な悪句を書いて酬うた。或時君の令弟が遊びに来た。聞けば、細君は別居して、家庭はあまり面白くもなさそうだが、遠隔....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
えない秘伝の曲目)を仰付られた。右つとめ終って後、御目録を頂戴し荒巻軍治氏(翁の令弟)に祝言を仰付られた。 又文久元年九月(利春四十五歳)、宰相公(長知)御昇....
社会時評」より 著者:戸坂潤
木三十五の紹介によると通称「おどん」)吉井勇伯自身、引いて柳原義光伯、近藤滋弥男令弟夫妻、久我通保男嗣子等々、舞台に登る役者の数も大分多いが「華族の体面」のけが....
十一谷義三郎を語る」より 著者:豊島与志雄
ひどくこりだして、碁と同様、そのために夜を徹することも屡々だったらしい。仲間は故令弟活太郎君をはじめ、身辺の若い人たちだった。私も三四度加わってみたが、あの面倒....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
つきましたのでこれで筆をとめます。 かしこ。 バティスティーヌ 追白――御令弟夫人には若き御一家とともにいつもこの地におられます。御子息はまことに愛くるし....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
いると、高橋さん来訪、同道して藤岡さん往訪。 招かれて、夕方から高橋さんを訪う、令弟(茂夫さん)戦死し遺骨に回向する、生々死々去々来々、それでよろしいと思う。 ....
屋根の上の黒猫」より 著者:田中貢太郎
昭和九年の夏、横井春野君が三田|稲門戦の試合を見て帰って来たところで、その時千葉の市川にいた令弟の夫人から、 「病気危篤、すぐ来い」 と云う電報が来た。横井君は令弟の容態....
読書遍歴」より 著者:三木清
『小さき花』である、ヨルゲンセンのフランチェスコ伝を訳した久保正夫氏――天随氏の令弟――が東京から京都の大学院へ移って来て、私たちの仲間に加わったが、その久保氏....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
まれて髭をそり落とされている。 花田 諸君、ドモ又の戸部が死んだについて、その令弟が急を聞いて尋ねてこられたんだ。諸君に紹介します。 一同笑いながら頭を下げる....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
らけにして、たしか昭和七年のはじめ頃か、東京へ夜逃げをしてしまった。北条秀司君の令弟が土地の電灯会社につとめていて、溜った電気代を私の家へ請求にきたが、ついにも....
日和下駄」より 著者:永井荷風
目つゝみのせき口《ぐち》もなし 去年の暮|巌谷四六《いわやしろく》君小波先生令弟と図《はか》らず木曜会忘年会の席上に邂逅《かいこう》した時談話はたまたまわが....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
辱された気持でした。帰って夫に訊きましたら、その人は公使の親友で大阪の勝田男爵の令弟だとのことでした。それも大変健康を害されて、保養のため欧洲へ遊びに行っていた....
日本の頭脳調べ」より 著者:戸坂潤
時々その思想の論理的な弱点を暴露もするのである。 桑木※雄博士は桑木厳翼博士の令弟で、その風貌は見境いのつかぬほど似ているのである。(謡曲は※雄博士の方が少し....