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「令息〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

令息の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
のお父さんであろう。やはり禿《は》げ鷹《たか》に似た顔はすっかり頭の白いだけに、令息よりも一層|慓悍《ひょうかん》である。その次に坐っている大学生は勿論弟に違い....
河童」より 著者:芥川竜之介
あなたの話ではあなたがたもやはり我々のように行なっていると思いますがね。あなたは令息が女中に惚《ほ》れたり、令嬢が運転手に惚れたりするのはなんのためだと思ってい....
」より 著者:芥川竜之介
十余名に及んだが、横関《よこぜき》名古屋市長なども愛児を失おうとした一人である。令息|武矩《たけのり》(三歳)はいかなる家族の手落からか、猛火の中の二階に残され....
黒百合」より 著者:泉鏡花
――一軒の格子戸を背後へ退った。 これは雀部多磨太といって、警部長なにがし氏の令息で、島野とは心合の朋友である。 箱を差したように両人気はしっくり合ってるけ....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
た。一番最初の縁談の時、私はまだ廿歳前で元気一杯でおりました。相手の方は外交官の令息で立派な青年紳士でした。どこも欠点のないような方でしたけれど、それが如何にも....
裏切り」より 著者:坂口安吾
ジンの腕時計をつけ、上等のネクタイに真珠のネクタイピンをさしていました。元子爵の令息としてセラダにひきあわされることになっていたので、どこかで工面してきたのです....
森先生」より 著者:芥川竜之介
りし事あり。森先生は白きシャツに白き兵士の袴をつけられしと記憶す。膝の上に小さき令息をのせられつつ、仏蘭西の小説、支那の戯曲の話などせられたり。話の中、西廂記と....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
たかと思うと、天幕の口から一人の少年がひらりと身軽に走り出た、これはホーキン氏の令息でジョンと云って十二歳のきわめて愛らしい美少年であった。 「よし、こん畜生|....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
の袴は未だ穿いていなかったから私はよくおぼえている。俳人渡辺|水巴氏は省亭画伯の令息で、正月のカルタ遊びなどにはよく来られたものである。もう夢のような追憶である....
髭の謎」より 著者:小酒井不木
あったが、五年前に夫人が亡くなられてからはいっそう気が短くなられたのだそうです。令息の信清氏は、今年二十四歳の青年であるが、父博士とは性格がまったく違って文学好....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ダ・バッザラ師の所に行くことになった。門の外に出ますとブ師の送ってくれた馬とその令息と下僕が迎えに来て居りました。その馬に乗って迦葉波仏陀の塔を指して参りまして....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
葉小僧の新助もだろう。」 アッハッハッと、政友本党では幅利きの吉植|庄一郎氏の令息で、法学士で、政治ぎらいの、印旛沼は出津の開墾家の、お人よしの、どこか抜けて....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ない、立派な身分の人々までも、自ら進んでその仲間に這入って参ります。某文学博士の令息とか、某代議士の令嬢とかいう様な方まで、俳優となって少しも恥かしいとは思いま....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
自分の児ではない、ほんとの児は生きている、この世にまだ生きているんだ、現に、男爵令息として学習院に通っているではないか、と、思うともう一刻も我慢が出来なくなり、....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
その情夫が、辰馬銀行の金庫から多額の金を奪って逃走した。しかもその案内役は頭取の令息である、という点に多少の疑惑を抱かれているというのだ。 本庄は思わず胴震い....