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令色
「令色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
令色の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
逃げて来いと口説かれたことを覚えている。僕の父はこう云う時には頗《すこぶ》る巧言
令色を弄《ろう》した。が、生憎《あいにく》その勧誘は一度も効を奏さなかった。それ....
「虚構の春」より 著者:太宰治
がる。」 「近頃の君の葉書に一つとして見るべきものがない。非常に惰弱になって巧言
令色である。少からず遺憾に思っている。吉田生。」 月日。 「一言。(一行あき。....
「めくら草紙」より 著者:太宰治
の小説を当然の存在にまで漕《こ》ぎつけるため、泣いたのだ。私は、死ぬるとも、巧言
令色《こうげんれいしょく》であらねばならぬ。鉄の原則。 いま、読者と別れるに当....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
く「ことあげせず」。いわく「不言実行」。いわく「雄弁は銀沈黙は金」。いわく「巧言
令色|鮮ないかな仁」。いわく何。いわく何。そうしてついに今|唖のごとき演出家がで....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
鼓の美しさと。(一行あけて)ほととぎす、いまわのきわの一声は、「死ぬるとも、巧言
令色であれ!」 このほか三通、気にかかっている書簡があるのだけれど、それらに就....
「弟子」より 著者:中島敦
中から、この単純な倫理観を補強するようなものばかりを選んで摂《と》り入れる。巧言
令色足恭《コウゲンレイショクスウキョウ》、怨《ウラミ》ヲ匿《カク》シテ其《ソ》ノ....
「創生記」より 著者:太宰治
失敗の五年の後、やはり私の一友人おなじ病いで入院していて、そのころのおれは、巧言
令色の徳を信じていたので、一時間ほど、かの友人の背中さすって、尿器の世話、将来一....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はできないのだ。それから色、すなわち性慾のことだって、あいつのは、なにも特に巧言
令色に構えこんで、色魔だとか、誘惑だとかいう手段で行くのではない、眼の前へ異性の....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
ものがある。 曲解されたる教訓 なおこれと関連して世に誤解された教訓は、「巧言
令色《こうげんれいしょく》鮮《すくない》かな仁《じん》」ということである。言語を....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
血の雨を降らす。親分乾児の関係が、武士の君臣関係より、もっと厳重で頼母しい。巧言
令色、追従などという、そういういやらしいことが行なわれず、生一本で正直だ。 こ....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
一見、直ちに人に厭わるることなきを要す。肩をそびやかして諂《へつら》い笑い、巧言
令色、太鼓持ちの媚《こび》を献ずるがごとくするはもとより厭うべしといえども、苦虫....
「城」より 著者:和辻哲郎
と土手とをながめるならば、刺激的な芸のあとに無言の腹芸を見るような、もしくは巧言
令色の人に接したあとで無為に化する人に逢ったような、深い喜びを感ずるであろう。そ....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
有様で、真茶人という人格者は、どこにひそみおるかが未だ明白でない。 従って巧言
令色は道具屋の専売とはかぎらない。道具屋輩をして呆然たらしめるようなより以上な巧....
「三国志」より 著者:吉川英治
っていた。しかも、今の彼たるや人臣の栄爵を極め、その最高にある身だけに、その巧言
令色にたいする歓びも受けいれかたも、とうてい、宮門警手の一上官などの比ではない。....